住宅購入のお金/住宅購入のお金の注意点

変動金利型、安心の裏に潜むリスク(2ページ目)

利用者を増やしている変動金利型。金利は上がらないと見るのか、低金利の恩恵に少しでも授かりたいと思うのか。そもそも変動金利型は借り手がリスクを引き受ける商品。利用はリスクを受け入れる準備があってこそ。

久谷 真理子

執筆者:久谷 真理子

住宅購入のお金入門ガイド

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元本と利息の内訳を調整していた!

図の試算は、借入れ後1年経って、適用金利が1.475%から1.975%へ、0.5%上がったと仮定したケースです。毎月の返済額は103,176円と変わりませんが、12回目と13回目を比べると、その内に占める利息が急激に増えているのがお分かりいただけるでしょう。実は、変動金利型は、決められた返済額の中で、元本と利息の内訳を調整しているのです。

※3,000万円を30年、毎月返済で借りた場合


安心の裏に潜むリスク

半年ごとに金利の見直しが行われるにもかかわらず、毎回の返済額は一定。しかも、返済額が見直される際も、返済額の大幅アップはなし!となれば、仮に金利が上昇したとしても家計へのダメージも限定的。返済計画も立て易いのが変動金利型のいいところと言えそうです。しかし、「変動金利型は家計にやさしい」と安心してしまうのは少々早計です。

金利が上昇すると、返済額に占める利息の割合も上昇することは図からもお分かりいただけるでしょう。そうすると、肝心の元本返済が進まなくなってしまいますね。実は、私たちが安心と引き換えにしているものは、元本返済のスピード。場合によっては、利息額が決められた返済額を超えてしまい、利息さえ払いきれないという状態になってしまうことも考えられます。いわゆる「未払利息」の発生です。

そもそも変動金利型とは、借り手がリスクを引き受ける商品です。利用するなら、それなりのリスクを受け入れる準備があってこそ。果たして自分はそのリスクを引き受けることができるかどうか?しっかり検討してから利用に踏み切りましょう。

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