時効の中断って何?

借金の時効が成立するのは、現実には難しい

借金の時効が成立するのは、現実には難しい

貸し手が一定期間権利を行使しないことから、時効は借り手に認められます。しかし、貸し手が何らかの形で権利行使をすれば、それまで経過した期間については効力が失われ、「中断」されます。

時効の中断となるのは、「債務の承認」「裁判上の請求」「差押え、仮差押え、仮処分」の場合です。それぞれ詳しく説明しましょう。

●債務の承認:借金があることを認めること

時効期間満了「前」は当然のことですが、期間満了「後」においても支払った場合、時効の利益を放棄したものとみなされます。誤解のないようにしてください。

支払った場合というのは、1円でも支払ったらということです。よく、払えない借り手に「1000円でもいいから……」などと言いますが、それで時効は中断になります。また、「50万円の債務を30万円に減額しますので、この書面にご署名し返信ください」などというケースもありますが、これに返信したりしても時効は中断されます。

●裁判上の請求:貸主が、返済してくれと裁判に訴えること
訴えられると、訴訟や支払督促などといったものが裁判所から届きます。裁判以外の口答や電話、ハガキ、手紙、電報などでは中断しません。

しかし、内容証明郵便に限っては、6カ月間だけ時効の中断がされます。その6カ月以内に裁判上の訴えをすれば、裁判外の請求をした時点から、時効の中断があったことになります。裁判上の訴えをしなかった場合は、時効の中断にはなりません。6カ月間、時効の成立を延ばしただけになります。

●差押え、仮差押え、仮処分
給料の差押えをされたような場合は、当然、時効は中断します。

時効はそう簡単に成立しない

時効を、モラルに欠けるような使い方をしてはいけません。また、安易に「逃げ切ってやる」などと考えるのは、実にくだらないことです。なぜなら、それまでの期間、いろいろな犠牲や不利益を受けるからです。住民票などを移せないとなると、生活がかなり不自由でしょう。仮にしばらく移さなかったとしても、業者は定期的に確認していますので、移動したら居場所は判明します。

相手はプロです。そのプロが貸し、回収するのですから、5年間も債権をだまって放置することなど、非常に考えにくいものです。ならば、借金と向き合い、解決の方法を探ったほうが絶対に得策です。あえてのイバラの道は大損ですので、前向きにいきましょう。
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