退職の半年前からの賃金と退職金が対象
退職金も未払い賃金の対象になるので、普段から退職金の規程などを調べておくとよい |
退職日の6か月前からの「定期賃金」及び「退職手当」の未払分が「未払賃金」となります。定期賃金とは、毎月決められた日に支払われる賃金で、税金や社会保険などの控除前の金額です。また、社宅料や物品購入代など会社が賃金から控除する予定のものは差し引かれます。
退職手当は、退職手当規程などに基づいて支給される退職一時金や退職年金のことです。この退職手当規程があるかどうかが大きなポイントですね。在職中または就職前にきちんと確認しておきたいポイントです。
ボーナスや臨時に支払われる賃金、慰労金などはこの未払賃金には入りません。福利厚生での給付金や手当なども未払賃金にはなりません。
支給は未払賃金の8割。年齢別の上限もあり
実際に立替払いされるのは、未払い賃金の8割の金額です。ただし、退職日の年齢によって限度額があるので注意しましょう。退職日の年齢 | 未払賃金総額の 限度額 |
立替払の上限額 (限度額の8割) |
45歳以上 | 370万円 | 296万円 |
30歳以上45歳未満 | 220万円 | 176万円 |
30歳未満 | 110万円 | 88万円 |
扱いは「退職所得」
この立替払金は全て、退職所得として課税されます。定期賃金分も含めて退職所得とされるので注意しましょう。退職所得は退職所得控除が認められているので、給与として支払われた場合よりは税金面では優遇されています。一般の退職金の受取りと同様、「退職所得の受給に関する申告書・退職所得申告書」を記入して退職所得としての恩恵を受けましょう。
立替払の申請手続きは、労働省健康福祉機構にすることになります。ただ、申請のための書類や証明書などが必要になりますので、まずは会社を管轄する労働基準監督署に相談してみるのがいいでしょう。会社が倒産したのでお給料がもらえないのは仕方がない……とあきらめることのないようにしてください。