生命保険は高い買い物です。会社選びは慎重に選びたいものです |
歴史のあるなじみの国内生保がいいのか、通信販売や広告に力を入れている外資系のカタカナ生保がいいのか、それともユニークな商品が多い損保系生保がいいのか、これだけあると、ひとつの会社に絞るのはとても困難ですね。また、契約途中でつぶれてしまうような会社でも困るし、問題を起こすような会社も避けたいと思うでしょう。そこで、保険に加入する前に、保険会社の安全性をチェックするポイントをお伝えしたいと思います。
保険会社の安全度をチェックする2つのポイント
2000年に中堅生保4社が相次いで破綻しました。その時に、「大きい会社で良かった!」と胸をなでおろした人も少なくなかったと思います。保険会社や銀行といった金融機関は、大きいほど安全で、信頼ができるような気がしますが、大きさは経営の健全性を示す尺度ではありません。それに、最近の保険金不払いのニュースを見ていると、大きい会社が不正をしないとも言えませんね。そこで、保険会社を選ぶ際に、その保険会社の経営状態が良好であるかどうかを確認する方法の最も代表的な材料として、「格付け」と「ソルベンシーマージン比率」というものがあります。まずは、「格付け」から説明していきましょう。
「格付け」をチェックする
保険会社の格付けは、財務内容や組織の沿革、事業内容等あらゆる角度から総合的に判断し、財務力と保険金支払い能力を民間の格付け会社が評価しています。よく知られている民間の格付け会社としては、スタンダード&プアーズ、ムーディーズジャパン、、格付投資情報センターなどがあります。これらの会社による格付けは、インターネットのホームページで見ることができます(スタンダード&プアーズ社の場合)。格付けは、各社の財務力を簡単な記号で表し、一目で分かりやすく示しています。具体的にはAAAからCCCまでの7段階に分かれていて、信用度の高いものから順にAAA(トリプルA)、B(シングルB)などの記号で示されます。また、AAからCCCまでの格付けには、プラス記号またはマイナス記号が付されることがあり、さらに評価が区分されています。
一般的にはBBB以上が安全、BB以下の会社は危険だといわれていますが、同じ保険会社の評価でも、格付け会社によって判断基準が異なるので、評価が違う場合もあります。この評価が絶対的ではありませんが、保険会社の比較をする場合は、2社以上の格付け会社の評価を見ておくと安心です。格付けは環境が変わると見直されていますので、時々チェックしてみましょう。
「ソルベンシーマージン比率」をチェックする
保険会社は、決算時に保険金の支払い余力を表す「ソルベンシーマージン比率」というものを発表します。保険会社は大災害など通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払い余力を保持しておく必要があります。この「通常の予測を超える危険」に対する支払余力を示す指標のことを「ソルベンシーマージン比率」といいます。通常の予測を超えるリスクとしては、以下などが挙げられます。
- 保険リスク: 大災害などの発生により保険金支払いが急増するリスク
- 予定利率リスク: 運用環境の悪化により資産運用の利回りが予定利率を下回るリスク
- 資産運用リスク: 株価の暴落や為替相場の激変などにより資産価値が大幅に下落するリスク、貸付先企業の倒産などにより貸し倒れが急増するリスク
- 経営管理リスク: 業務の運営上、通常の予想を超えて発生し得るリスク
生命保険は長期の契約になるのが一般的ですから、加入前には保険会社の経営状態を確認しておくことが大切です。しかし実際は、ついつい知り合いに勧誘されて、そのまま契約してしまう人が多くみられます。2つの指標をチェックして、生命保険契約を安心して任せられる生命保険会社を選びましょう。