生命保険/収入保障保険と所得補償保険とは

収入保障保険の使い方

最近はやりの「お金」に関する本でも、生命保険は収入保障保険だけで十分というコメントも少なくありません。使い勝手のよい保険です。

長島 良介

執筆者:長島 良介

生命保険ガイド

  • Comment Page Icon

収入保障保険とは

収入保障保険はその使い勝手のよさがメリット

収入保障保険はその使い勝手のよさがメリット

大きな死亡保障を安い保険料で調達できる生命保険、それが収入保障保険です。

書店で見かける「お金」に関する本でも、生命保険はこの保険だけで十分というコメントも少なくありません。遺族の生活保障として考えた場合、非常に効率的な生命保険「収入保障保険」についてご案内しましょう。

保障としての機能は、単なる死亡・高度障害の保険です。他には何もありません。入院や手術で保険金が支払われたり、がんや三大疾病の保障があるものはすべて特約として付帯されます。

この収入保障という名称は、保険金が毎月お給料(収入)のように支払われるところから来ています。保険会社によって様々ですが、「家計保障保険」とか「家族収入保険」といった名称も同じ保険です。保険金が年金のように保険会社から振り込まれます。

加入時に決めた保険期間中に、保険の目的となる人が亡くなった月から保険金が支払われます。

収入保障保険の保険料

収入保障保険ならではのメリットとして、保険料が安いことが挙げられます。前述したように、決められた期間、毎月支払われます。

したがって、保険開始から間もないころに亡くなれば、保険期間満了まで時間がありますので、長く、より多くの保険金を受け取ることができます。しかし、保険期間満了間近に亡くなった場合、受け取る期間が短いため、受け取る保険金の総額は少なくなります。このように、収入保障保険は時間の経過とともに保障が徐々に減っていく保険なのです。

保障が徐々に減っていくということは、年齢が高くなってリスクが増える時期、保険料が高くなっていく時期の保障を抑えていることになります。保険金額が保険期間中に変わらない保険は、保険期間後半の保険料が高くなりますが、収入保障保険は安くなることもあり、保険料も安くなります。

収入保障保険はどんな人に合うか?

収入保障保険の特徴は、
・現在高額な死亡保障が欲しい人にとって保険料が安い
・保険金をまとめて受け取らないので、使ってしまうことがない。
と、大きなところではこの辺が挙げられます。ここから、以下のような人・ケースに合っている保険と言えます。

●小さな子供がいて、収入はそこそこあって生活は問題ないけれど貯蓄がない家庭

このタイプの家庭は、収入が途絶えるととたんに生活できなくなりますから、家族を守るためには保険の加入は必須です。仮に奥さんが働いたとしても、経済的に厳しい状況を回避するためには、低コストで用意できる収入保障保険はうってつけです。人間は生活レベルを下げるということはかなりの苦痛がともないます。準備だけはしておきましょう。

反対に、収入が低くてもちゃんと貯蓄できている家庭は、家計も抑えられるところはしっかり押さえて無駄がなく、お金が残っています。このような家庭は支出も少ないので、公的年金等で十分対応できます。
今現在、貯蓄できない家庭には必要な保険です。

●収入が低く、月々の生活が大変な小さな子供のいる家庭

こちらは、月々の家計がぎりぎりなので保険料が支払えない家庭です。保険料すら支払えないのですから、もし大黒柱に万一のことがあったら、残された遺族はどうなるかは想像に難くないでしょう。国民年金や生活保護など、保険以外にも考えられる手立てはあります。しかしこういう家庭こそ何とかやりくりして、本当に少額でも良いので、収入保障保険への加入を検討してほしいと思います。

●もともと貯蓄はあったが住宅購入で使ってしまい、現在は貯蓄がない。これから貯蓄はしていきたいと考えている人

こちらはもともと貯蓄ができるタイプですが、現在の資産がないという家庭。収入保障保険は保障が徐々に減っていく保険ですから、貯蓄がだんだんと増えていけば、万一のことに対する備えを保障から貯蓄へシフトでき、合理的です。

●金融機関以外からお金を借りて住宅を購入した人

金融機関からお金を借りた場合、ほとんどの金融機関では団体信用生命保険への加入を求められます。しかし、親等から資金援助を受け、それを返済していく場合は団体信用生命保険には加入できません。こんなときにも収入保障保険が使えます。

返済期間に合わせて保険期間を設定すれば、ローンの残高に合わせるように保険金額も減っていき、とても合理的です。借りた人に迷惑をかけたくないと考えている方にはベストの方法といえます。

●番外編:まとまったお金があると使ってしまいそうな人

宝くじにあたった人は、人生を踏み外すといいます。人間、まとまったお金が入ると気が大きくなり正常な判断力を失うそうです。

保険金も同じです。まとまったお金が手元にあると必要のないものを買ったりして、あっという間に使ってしまうことも少なくありません。こんな事態を防ぐためにも、毎月一定額を受け取る収入保障保険は有効です。受け取った保険金をお給料のように大事に使っていくことができます。

健康状態によって保険料が安くなる

収入保障保険には次のような人向けに、特別な保険料の割引があります。

・煙草を吸っていない人
・太っていない人
・自動車のゴールド免許

健康に対する意識の高い人は、死亡リスクも抑えられます。このような方は保険料を安くしましょうという目的でしょう。たばこや肥満だけでは判断が難しいかもしれませんが、この両者の病気になる確率が高いのは事実です。

ゴールド免許の割引は、限られた保険会社で取り扱われています。「自動車保険でもないのになぜ?」と思わないわけではありませんが、クルマ社会ならではの割引と言えます。

収入保障保険、いくら入ればいいの?

本来なら、ライフプランとマネープランから必要補償額を導いて加入するものです。もし手っ取り早く加入したい場合は、現在の月々の生活費から導けるのも、収入保障保険の利点です。

その名のとおり「収入を補う」と考えた場合、現在、家計に入る手取り収入から金額を決める、もしくは月々出ていくお金をベースに考えてもおおむね間違いはないでしょう。いずれにしても、何をベースに加入したかを理解しておくことが大切です。

収入保障保険は加入しなければいけないのか

ここまで書いてくると、加入するが当たり前のように感じてしまう方もいるかもしれませんが、これはあくまで保険です。しかも掛け捨ての保険です。支払った保険料はほとんど戻ってきません。

このサイトでさんざんお話しているように、万一のことが起こった時、どうしてもお金が足りない時、保険に頼る。この考え方は変わりません。

したがって、仮に保険料が安いからと言って、言われるがままに加入したり、必要以上の高額な保障に加入してしまうことは、無駄以外の何物でもありません。まずは、自分にとって必要かどうかを考え、活用していきましょう。
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/11/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます