学資保険ってどんなもの?
かわいい我が子のため、教育資金はちゃんと用意しておきたい
親等と子ども自身を被保険者として加入する連生型の保険で、親等だけでなく、子どもが亡くなった時の死亡保障もあります。契約者である親等が死亡・高度障害となった場合には、その後の保険料の払い込みは免除されます。しかも、祝い金や満期保険金が予定通り受け取れるのが、学資保険の特徴でもあります。
ちなみに、保険の種類としては「こども保険」が正解。「学資保険」はソニー生命やかんぽ生命ほかの商品名ですが、わかりやすさから「学資保険」と呼ぶ人が多いのも事実です。
商品タイプもいろいろ
保障内容は商品によって異なり、さまざまなタイプがあります。●満期時以外にも12歳、15歳などの入学時期や、大学在学中に学資金が受け取れるもの
●契約者である親の死亡時・高度障害時に育英年金や一時金が支払われるもの
●子どもの入院・通院に関する医療特約がつけられるもの
親の死亡保障が別の保険で確保されているのであれば、死亡時に育英年金や一時金がでない商品を選べば、教育資金をより効率的に準備することができます。
子どもの医療保障も、自治体の乳幼児・子ども医療費助成の制度が充実している場合にはつけなくてもいいでしょう。余計な保険料をかけずに済みます。
学資保険のメリット
学資保険のメリットは何かと聞かれたら、「保険料を支払い続けることで教育資金のベースが作れること」と答えます。特に、手元で管理して教育資金の貯蓄をすることがあまり得意ではない世帯にとっては、「強制的な貯蓄」として有効です。また、学資保険は「教育資金専用」として、他の貯蓄と分けて管理できる点もメリットと言えるでしょう。
教育資金の準備は長期にわたるため、家計が厳しい時や住宅取得の際など、他の資金に回したくなることも少なからずあります(実は私も経験者です……)。学資保険であれば、解約しにくいことから、手をつけずに済みます。
学資保険を選ぶ5つのポイント
学資保険を選ぶ際には、次のような点をチェックしましょう。その1 貯蓄性は納得できる?
学資保険は教育資金の貯蓄を目的として入る保険なので、期待している貯蓄性が満たされているかどうかは重要なポイント。満期保険金から払込保険料累計を引いた差額が大きいもののほうが、貯蓄性が高いといえます。複数の見積もりを取って、必ず比較しましょう。
保障型商品で契約者の保障がつくほど、あるいは、子どもの医療特約などをつけるほど、貯蓄性は下がります。
その2 満期はいつ?
満期は商品によって15歳、17歳、18歳、20歳、22歳などがあります。基本となるのは、大学受験用の資金を中心に貯める17歳・18歳満期です。高校受験にも備えたいのであれば、祝金が15歳時に給付されるものを選ぶか、あるいは、15歳満期の商品を組み合わせるといいでしょう。
その3 保険料の払い込みはいつまで?
満期との兼ね合いもありますが、保険料の払い込みが10歳、12歳、15歳、17歳、18歳、20歳等のものがあります。最近は予定利率の低下で、短期払いが増えています。同じ22歳満期でも、10歳、15歳など選べる場合も。
払い込みが短くなるほど保険料は高くなりますが、進路によっては早く貯め終えたほうがいい場合もあります。無理なく払い続けられるような選択をしたいものです。
その4 祝い金の有無は?
商品によっては、満期以外のタイミングで、12歳、15歳、18歳といった中学・高校・大学の入学の時期に合わせて祝い金が出たり、大学では毎年、学資金が出たりする商品もあります。できるだけ、本当に必要な時期に絞ったほうがいいでしょう。据え置きをする方法もあります。
その5 子どもの医療保障は?
子ども自身の入院や手術等に備える医療保障が特約でつけられる商品もあります。自治体の医療費助成制度の内容によっては、切れるころに加入してもいいでしょう。
学資保険に入る前に知っておきたい4つの注意点
学資保険はメリットばかりではありません。入る時にはいくつかの注意点があります。その1 金利が低い時期は本来入り時でない
学資保険は、加入時の運用利率(正確には「予定利率」。保険料の割引率として計算される)がずっと適用される、いわば長期固定金利商品です。そのため、予定利率の高い時期が加入に向きます。反面、予定利率が低い時期は本来は加入に向きません。配当のあるタイプであれば、「配当でおつりがでる」などと言われますが、それも確実ではありません。
金利が低い時期なのに学資保険で教育資金を貯める理由としては、前述の「メリット」に挙げた「強制貯蓄効果」と「教育資金の分別管理」だと思います。「確実に貯める」ことも大事な要素です。
その2 リスクは保険会社の破綻
2つめに注意すべき点が、保険会社の破綻です。保険契約者を保護する制度はあるものの、万が一破綻した時には、祝い金や満期保険金などが減らされる可能性もあります。
こうしたリスクに備えるためにも、商品だけでなく保険会社の財務格付けなどもチェックするようにしましょう。格付け会社の評価が「投資適格」よりも高いもの、できれば「BBB」「A」以上の会社を選ぶようにしましょう。ただし、それでも破綻リスクはゼロではありません。
その3 流動性のある商品も組み入れる
最近の進路の多様化を考えると、途中で進路が変わることも十分に考えられます。例えば中学校から私立に進むことになった時、学資保険だけで教育資金を準備していた場合は、一部解約を余儀なくされてしまいます。
そのため、定期預金や個人向け国債(10年変動)など、より流動性のある貯蓄も組み込んで用意しましょう。
その4 インフレリスクも意識する
教育資金が必要になるのは15年、20年先のため、一部にはインフレリスクに備えられるよう、元本割れのリスクはありますが投資系のものを組み合わせることも大事です。2018年に始まった「つみたてNISA」や、外貨建て保険なども1つの方法です。
教育資金は自分に合った商品でしっかり貯めたいものですね。
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