存在感を増す人民元
目覚しい発展の影に、チベット問題や環境問題など解決しなければならない問題があるのも中国の現状。
人民元は「renminbi(レンミンビー)」と呼ばれることから頭文字を取って「RMB」の記号で表されます。2005年に、それまで1米ドルあたり8.3元でほぼ固定されていた為替制度を変更し、「通貨バスケット」といわれるしくみを取り入れました。制度変更の背景には、安い品物をたくさん輸出したい中国と、中国製品におされて自国の製品が売れなくなってしまうことを心配する国々、それぞれの思惑があります。
「通貨バスケット」とは?
「通貨バスケット」とは、自分の国の通貨をいくつかの国の通貨に合わせて動かすしくみのこと。1つの通貨だけに連動させる場合よりも為替レートの動きが緩やかになる点がメリットだと考えられています。主要な貿易相手など経済的につながりの深い国々の通貨を選んで「1つのカゴに入れる」という意味合いから、このしくみは「通貨バスケット」と呼ばれています。人民元については、米ドルやユーロ、日本円などが中心になっているようですが、現状ではバスケットの中身は明らかにされていません。