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肥満と動脈硬化の怖い関係 日本男児が膨張している!(2ページ目)

毎年のように肥満者の割合を増加させている日本人男性。「まー健康だからいいじゃない」という余裕の陰ではとんでもない病気が進行しているかもしれませんよ…

執筆者:河口 哲也

死因トップはガンではない!?

「河口さん、日本人の死因のベスト3を知ってますか?」

「確か1位がガンで、2位と3位は心疾患と脳血管疾患だったと思いますが…」

「その通り。でも、2位の狭心症や心筋梗塞などの心臓病と3位の脳梗塞などの脳血管障害は共に血管が狭くなって詰まる病気…つまり動脈硬化症なんですよ。動脈硬化で脳の血管が詰まるか、心臓の血管が詰まるかという違いです。」

「そしてこれら二つの疾患を共に動脈硬化症というくくりで見れば、実は死因第1位の悪性腫瘍(ガン)に匹敵する死因が動脈硬化症ということになります。ただし、ガンに比べて動脈硬化症というのはその危険因子が明確なため予防しやすいという特徴もあります。」

動脈硬化症のリスクを高める危険因子には「加齢」「性別(男性)」「遺伝」など、変えることができない「不変因子」と「高血圧症」「高脂血症」「耐糖能異常」「肥満」「喫煙」「運動不足」「ストレス」など、改善できる可能性がある「可変因子」との2種類があるとのこと。そして動脈硬化症を予防したければ、当然”可変因子”を減らしていくことが大切であるということです。

動脈硬化症のリスクを高める危険因子
動脈硬化症のリスクを高める可変因子と不変因子


「ただし、可変因子のうち「肥満」「高血圧」「高脂血症」「耐糖能異常」は非常に結びつきやすく、私は5年ほど前から「だんご4兄弟」と呼んでいるんです」

「兄弟?」


「肥満」という名のお兄さん

「そう、とても仲良しなんです。そしてみんなで協力し合って向かう先は動脈硬化症です。今回はそんな動脈硬化の危険因子の長男である『肥満』についてお話しましょう。」

「肥満が長男ですか…」

肥満には内臓のまわりに脂肪がつく内臓脂肪型の肥満と皮膚の下につく皮下脂肪型の二種類がありますが、最近の研究で特に前者の内臓脂肪型の肥満が問題であることが分かってきたそうです。

内臓脂肪肥大が引き起こす動脈硬化のメカニズム
内臓脂肪肥大が引き起こす動脈硬化のメカニズム


それは、内臓脂肪はそれが肥大化することによりさまざまな生理活性物質(アディポサイトカイン)を出して動脈硬化を助長するためで、例えばPAI-1(パイワン)と呼ばれる生理活性物質は、血液をドロドロにするのを助け、HB-EGFは血管を狭窄させ(細くすぼませ)、レプチンはもともと善玉ホルモンではあるが、それが出過ぎる(抵抗性が出る)と血圧を上昇させ、TNF-アルファーはインシュリンの働きを悪くするなどの働きがあるからだとか。

「先生、この長男はこんな悪いことを弟たち(高血圧、高脂血症、糖尿病)が出てくる前から始めるということですか?」

「そうです、特に糖尿病は病気と診断される前にインシュリン(血糖値を下げるホルモン)をたくさん出して見かけ上、血糖値が上がらない(糖尿病と診断されない)”代償期”というのが数年、場合によっては数十年ありますので、実はそのような病気と診断される前から動脈硬化が進行している可能性があるのです。」

内臓脂肪が肥大化しているだけで動脈硬化が進行している可能性がある…なんとも恐ろしい話です。

次ページへつづく…
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