立ち仕事の人が疲れやすい部位はどこ?
立ち仕事の内容によって、酷使される身体の部位も異なります
それが、お尻・太もも・ふくらはぎの筋肉です。仕事中に足が痛くなり靴を脱いで脚を投げ出したくなった経験はありませんか? これもお尻や下肢の筋肉が疲労しているサインのひとつ。下肢の筋肉が疲労して身体のバランスが崩れることにより、地面と接する足部にも負担が生じやすくなるのです。こうしたことが、腰部へ影響を及ぼす可能性があり、腰痛のきっかけとなるケースもあるのです。
お尻・下肢の疲労がたまりやすい人とは?
では立ち仕事においてお尻・下肢の疲労がたまりがちなのは、どのような人でしょうか? まずは次の項目をチェックしてみましょう。当てはまる項目がある場合は、重心のズレが生じて腰部へ及ぶ可能性が高いので要注意です。■チェックリスト
□どちらかの脚に体重をかけ続ける癖がある
□仕事の際、体を部分的に酷使する動作や姿勢がある
□仕事で履く靴のかかとがすり減ったまま履き続けている
□仕事で履く靴が足に合っていない気がする
□体が冷えやすい仕事環境である
□座って脚を休める時間や1日の睡眠時間が短い
□お風呂に浸かって体を温める習慣が無い
お尻・太もも・ふくらはぎの疲労は、腰の不調につながる
室温が低い、冷えやすいなど作業環境も腰痛に影響する場合があります
ところが、疲労によってお尻・下肢の筋肉に機能低下が見られ、腰部を安定させることが不十分になってしまうと、重心線がズレて姿勢のアンバランスを招くことになります。そして、姿勢バランスの不安定性をカバーするために腰部の筋肉は緊張して硬くなっていきます。
背骨や骨盤、股関節など関節の可動範囲が狭くなるといったことが続くようになり、お尻や下肢の筋肉だけではなく、腰周りの筋肉も血流の滞りがみられ痛みを感じやすくなる可能性が高まります。
疲労を持ち越さないようにエクササイズを続けましょう
お尻・下肢の筋疲労は腰部への負担にもつながるとともに、それがまたお尻や下肢の疲労をさらに解消しにくい状態にしてしまう“腰痛体質”の原因にもなります。時間をみつけて下肢の疲労を和らげ、腰痛予防をしながらお尻や下肢の疲労が解消されやすい体づくりを試みてみましょう。※疲労部位により、エクササイズ中によろけてしまう人もいるため、壁などすぐに手をつける場所で行うことができると安心です。壁が無い場合は、転倒に注意しながら行ってください。
脚の裏側と背中のストレッチ
太もも裏側にあるハムストリングスと背中の筋肉を伸ばしましょう。急に上半身を倒さず、腰に注意を払いながら動かしていきましょう
床に手をつけるように動かしてもOKです
★ポイント
- 脚の裏側は気持ちよく伸ばしましょう。痛みが出る手前で止めておきます。
- 両手を足先に近づけると肩甲骨付近や背骨に沿った筋肉が伸ばされます。心地よい程度に伸ばすことができると、立ち姿勢が楽になります。
骨盤と下肢の外側ストレッチ
中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋・縫工筋といった骨盤に付着する筋肉を伸ばしていきます。この姿勢をとると最初はふらつく人もいるため転倒しないようにご注意ください
真横へ傾けるというよりも少し後方を意識しましょう
3. 反対側も同様に行います。
★ポイント
脚を交差させる際の足幅や上半身の角度によって、伸ばされ方が変わりますので、試しながら気持ちよく伸びる姿勢を調整してみましょう。
ふくらはぎとアキレス腱ストレッチ
上半身は少し前に倒しておくとストレッチしやすくなります
カカトは急に床につけずに、ゆっくり伸ばすよう動かしましょう
上半身を起こした状態で膝を曲げていきましょう
4. 1~3が終わったら反対側も行います。左右それぞれ3回程度繰り返しましょう。
★ポイント
「2」の際、上半身の重みを前方の足へかけるようにすると、さらにストレッチしやすくなります。