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ダンサーズ・ヒストリー ABT 相原舞(3ページ目)

“世界一ゴージャスなバレエ団”、アメリカン・バレエ・シアターで活躍する相原舞さん。同団へ入団が許された日本人は3人目と、狭き門を突破して正団員入りを叶えた新進気鋭のダンサーです。相原さんが歩んできたバレリーナへの道程とは? ここでは、相原さんのダンサーズ・ヒストリーをご紹介します!

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


普通の女子高生として過ごした一年

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2006年ユースアメリカGP NewYorkFinal

バレエしか知らなかった彼女にとって、初めて経験する普通の女子高生としての学生生活。突如ぽかんと空いた時間を、どう過ごしていいか戸惑うばかり。
「最初は何をしていいかわからなくて。でもそのときはじめて普段できなかったことをやりました。友達と映画を観に行ったり、カラオケに行ったり、プリクラを撮ったり……」
だがいくらバレエと離れようとも、“プロのダンサーになる”という決意は揺るぐことはなかった。ストレッチなどできる限りのことをして、ひたすら復帰の日を待った。

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2006年ユースアメリカGP NewYorkFinal

一年後、ようやく稽古場に戻ることを許された相原さん。
「久しぶりに稽古をしたときは、もうびっくりするくらい初心者でしたね。バーレッスンで一番ポジションにするだけで足がぷるぷるしちゃう。もともと筋肉が付かないタイプなので、全部落ちてしまって大変でした。でもあせりはなかったです。時間をかけて、ゆっくりやろうと思って。結構マイペースなんです(笑)」


往復5時間かけレッスンへ 

復帰にあたり、心機一転稽古場も変えた。神奈川県の佐々木三夏バレエアカデミーに移籍し、新たなスタートを切っている。
「友達のお母さんが三夏先生とお友達で、先生も若いころ同じようなケガをしたことがあると聞いたので、そういう方ならよりわかってもらえるんじゃないかと思ったんです」

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2006年ユースアメリカGP NewYorkFinal

しかし、山梨の自宅から神奈川にある教室まで片道2時間半以上、往復5時間の距離。学校が終わるとすぐ電車に飛び乗り、19時からレッスンを受け、最終電車ぎりぎりの22時半に慌てて稽古場を後にする。それでも家に戻るのは1時過ぎ。土日はホテルに泊まり、週に6日レッスンに通った。
「授業中は眠くて眠くて、ときにはこっくりしたことも(笑)。大変ではあったけど、それでも三夏先生に習いたかった。スタジオの雰囲気も合ってたんだと思う。それに自分で通うって決めたんだから、ちゃんと最後まで続けようという気持ちもありました」

環境も良かった。生徒たちのレベルは高く、コンクールの上位に輝く精鋭揃い。卒業生には、ベジャール・バレエ・ローザンヌの大貫真幹さん、新国立劇場バレエ団の五月女遥さん、二歳下にローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した菅井円加さんがいる。

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