運動と健康/簡単トレーニング・ストレッチ・ウォーキング

正しいストレッチは2種類の使い分けが重要!

ストレッチには種類があり、それぞれに目的があります。静的ストレッチは主に疲労回復とリラクゼーション作用が、動的ストレッチは準備体操として、怪我予防に効果があると言われています。正しいストレッチの適応を覚え、日々の生活に活かしましょう。

三木 貴弘

執筆者:三木 貴弘

理学療法士 / 運動と健康ガイド

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ストレッチの種類によって効果が異なる


ストレッチは実は大きく2種類に分けられ、それぞれ目的が異なります。「静的ストレッチ」は主に疲労回復・リラクゼーション作用が、「動的ストレッチ」は準備体操として、怪我予防に効果があると言われています。正しいストレッチの適応を覚え、日々の生活に活かしましょう。

2種類のストレッチはどう違う?

私たちが運動の前後に行うストレッチは、実は大きく2種類に分けられ、それぞれ目的が異なります。

「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」は私たちが一般にイメージしているストレッチのことを指します。反動をつけずに筋肉をゆっくりと伸ばしていくようなイメージです。

「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」は、身体を動かしながら、リズミカルに、特に反動を利用しながら行うストレッチです。こちらはあまり馴染みがなく、ストレッチとしてのイメージはないかもしれません。

準備体操として私たちはしばしば静的ストレッチを行っています。筋肉をゆっくり伸ばして「1、2、3、4……」と数えていた記憶が皆さんにもあるかもしれません。しかしながら、これは逆に怪我をする可能性を高めてしまいます。そのメカニズムを以下で解説しましょう。

「静的ストレッチ」が怪我の可能性を高める理由

静的ストレッチは筋肉をゆっくり伸ばし、その弾性を失わせる動作です。実は筋肉はバネみたいなもので、伸びたり縮んだりすることで力が発生します。コイルやバネが伸びきってしまっている姿を思い描いてみてください。必要以上に伸びてしまうと、パフォーマンスの低下、怪我の発生につながってしまうのです。

つまり、運動前に行うのは、この筋肉のバネの効果を高めるストレッチ、動的ストレッチが良いということになります。動的ストレッチは体をリズミカルに動かしながら行うもので、プロ野球選手の広島東洋カープの前田健太投手の「マエケン体操」などが有名です。

「静的ストレッチ」は疲れを取るのに効果的!

では、今まで私たちがイメージしていた静的ストレッチは意味がないのかというとそうではなく、疲れを取るのに効果的だと言われています。筋肉をじんわりと伸ばすことで、疲労物質である「乳酸」を体内から効果的に取り除いたり、体を徐々に落ち着かせて副交感神経を活発化し、リラックス効果や眠気を促す、などの効果があると研究で明らかになってきています。

運動前はリズミカルに体を動かす動的ストレッチで怪我の予防やパフォーマンスの向上を、運動後はじんわりと伸ばす静的ストレッチで疲労回復を図りましょう。それが身体にとって最も良いストレッチの行い方です。

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