セクシュアルマイノリティ・同性愛/LGBTビジネス情報

LGBTsへアプローチし始めた日本企業(3ページ目)

欧米の企業ではLGBTsへの取り組みは当然のように行われているが、横並び的な発想の強い日本企業は手を出せないでいる。しかし、新しい挑戦をしない企業が、これからの不確定な時代を生き抜けるのだろうか?先進的に取り組みを行っている企業例を交えながら解説する。

執筆者:林 康紀

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「やりたいという思いがあれば、それを実現するのが私たちです。」

次の事例は、白金台にある、日本庭園が非常に美しい「八芳園」です。目黒雅叙園や椿山荘に並んで有名な、和装の結婚式ができる結婚式場で、日本庭園には見るからに高そうな鯉が泳いでいます。

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八芳園

八芳園での動きは、2014年の夏から始まりました。あるゲイカップルからの挙式の依頼で、外国人と日本人のお二人のご要望としては「どうしても和装で挙式がしたい」といったものでした。


和装で挙式のできる結婚式場をリスト化し、片っ端から連絡しました。和装なので、主に神社が多く、神道など宗教が絡むことに対して心配がありました。心配は的中し、ほとんどすべての神社や式場に断られました。理由はやはり「宗教的観点」。その中で、非常に好意的に反応してくださり、まずはお会いしようという返事をくれたのが、八芳園でした。

今でも鮮明に覚えています。私1人で荘厳な八芳園に緊張しながら向かい、スタッフの方々に必死にLGBTsとは何か、今どういうカップルが挙式したいと思っているのか、これから日本はどうなるのか等を説明しました。スタッフの方々も好意的に受け止めてくださり、その場では「社内で検討する」ということで話が収まりました。

その後、「改めて再度お会いしたい」という連絡を頂き、八芳園の専務の方から、「今回お声がけ頂いたカップルの挙式のお手伝いをぜひしたい」というお言葉を頂きました。現在、ゲイカップルは今年2015年の7月に挙式をする予定で、じっくり準備を進めています。

その後のインタビューで、八芳園の方はこうおっしゃっていました。
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八芳園のプランナーの佐々木さん


「同性愛にかかわらず、(八芳園の)合言葉は「できないことはない」。結婚式をやりたいというお客様に対し、いろんなやり方があり、一本の道のりだけではありません。やりたいという思いがあればそれを実現するのが私たちです」

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