セクシュアルマイノリティ・同性愛/LGBTビジネス情報

LGBTsへアプローチし始めた日本企業

欧米の企業ではLGBTsへの取り組みは当然のように行われているが、横並び的な発想の強い日本企業は手を出せないでいる。しかし、新しい挑戦をしない企業が、これからの不確定な時代を生き抜けるのだろうか?先進的に取り組みを行っている企業例を交えながら解説する。

執筆者:林 康紀

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みなさま、初めまして。この度、LGBTs(※1)をテーマにしたビジネスについての知見をお伝えするため、ガイドとして就任しました。林と申します。

※1 LGBTs….レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの略で、セクシュアルマイノリティの総称と一般的に言われている。”LGBT”ではパンセクシュアル等の”LGBT”に含まれない人がいるため、LGBTs と著者は書いている。

簡単に私個人のことをお伝えしますと、「すべての人が、セクシュアリティに関わらず自由に幸せを追求できる社会を実現する」というミッションを掲げたソーシャルベンチャー、Letibee で代表取締役をしており、企業向けLGBTs研修や、同性カップル向けウェディングと挙式後のライフカウンセリング、LGBTs向けWEBサービス事業を展開しています。最近では、LGBTs向けウェブサービスの開発なども新規事業として始めています。詳しくは私のプロフィールページやHPをご覧ください。

LGBTsへの取り組みは今までも行われていた?

先日、渋谷区においてパートナーシップ条例を施行するという突然のニュースにより、日本全体で同性愛含めたセクシュアルマイノリティに関する議論が巻き起こりました。ビートたけしで有名な「TVタックル」で同性婚が議論され、同性婚に反対した議員さんがネットで炎上したり、他のテレビ番組や新聞でもLGBTsに関することが取り上げられるなど、大きな話題となっているようです。また、世田谷区や横浜市でも渋谷区と同じような動きがあるとも伺っています。このような流れは、今まで同性婚に関して議論さえ生まれてこなかったことを考えると、当事者たちにとって大変な進歩のように思います。

突然のように同性愛に関する議論が巻き起こったように感じている方も多いかもしれませんが、実は民間、ビジネス界ではLGBTsへの取り組みは長年行われてきていました。LUSHジャパン、トムソン・ロイターやゴールドマン・サックスなどといった様々な外資系企業が中心となって、社内のLGBTsの従業員も働きやすい環境の構築や、新卒採用におけるLGBTsの大学生に向けた新卒採用、そしてLGBTsをテーマにしたキャンペーンなどが行われていました。しかし、主に外資系企業が中心で、日本企業は野村證券などの一部例外を除き、なかなかLGBTsへのアクションを取ることができないでいました。

私たちは“切り込み隊長”として、そこを切り開く活動をしています。ウェディング業界にターゲットを絞り、同性カップルを日本の結婚式場に連れて行き続けたのです。LGBTsカップルから依頼を請けると、ご要望を伺って、カップルに適した式場を見つけ、ひたすら電話で確認をして周ります。突然連絡を受けたブライダル企業や式場の反応は様々で、「ぜひ一度お話させて欲しい」という好意的なお声もあれば、「同性カップル?え??いや、普通に無理ですけど(笑)」といった否定的なことを言われることもありました。その中でも、今回は特にLGBTsに好意的で、実際に成果をあげているウェディング企業2社の事例をご紹介したいと思います。

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