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誤解されがち? 「野菜ジュース」のウソ・ホント(2ページ目)

健康のために野菜をもっと摂った方がよい、ということは現代人の多くが感じているでしょう。しかし野菜ジュースは栄養が無い、糖分が多くて太る、塩分が多い、あるいは野菜ジュースさえ飲んでいれば野菜不足にはならないなど…、様々な誤解も多いようです。今回は野菜ジュースの誤解されがちな点を解説します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

野菜ジュースの誤解3 「野菜ジュースは塩分が高い」?

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野菜ジュースは野菜そのものではありませんが、違いを知り、手軽に野菜不足を補える食品として、うまく活用しましょう。

昔は、トマトジュースには食塩を加えて飲まれることが多く、今でも味のバランスをととのえる(調える)ために塩分を加えている商品も見受けます。しかし、減塩志向がある中、「食塩無添加」でつくられる野菜ジュースの方が多いといえるでしょう。

栄養表示に記載されている、ナトリウムの含有量が食塩と勘違いされる方も多いので、説明しておきますと、ナトリウム=食塩(塩化ナトリウム)ではありません。

ナトリウムは生きるためには必要なミネラルの一つで、野菜などにもわずかですが、ナトリウムは含まれています。野菜ジュースの場合も、ほとんどが野菜由来です。

ナトリウム摂取量を食塩摂取量に換算するには、
「食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000」」
で求めることができます。

ナトリウムは体には必要なミネラルとはいえ、その一方で食塩を摂りすぎると血圧や他の生活習慣病に影響を及ぼすことがあります。ま食塩を摂りすぎないように気をつけるのと同時に、ナトリウムと一緒に摂りたいミネラルにカリウムがあります。

カリウムは、余分なナトリウムの排出を助ける働きがあります。カリウムは、野菜や果物、芋、豆、海藻、きのこ等に多く含まれ、加工品なら野菜ジュースも、多く含まれる食品の一つです。
 

野菜ジュースの誤解4 「野菜ジュース=野菜?」

健康的な食生活の基本は、多様なものをバランスよく食べることです。とはいえ忙しい現代人は、野菜が不足しがちで、様々な栄養成分を手軽に摂れる食品として、野菜ジュースも選択肢の一つだと言えるでしょう。

しかし、健康に有効な栄養成分を含むとしても野菜ジュースだけを飲んで健康になれるわけではありません。また同じ食品ばかり、大量に摂りすぎるのも栄養が偏って良くありません。

栄養面だけでなく、野菜を食べる時は、口に入れて噛んで飲み込みます。この「噛む」行為によって、脳の血流が良くなり、唾液の分泌を促し、満腹感が得られて食べ過ぎ防止にもなると考えられています。こうした点においては、野菜ジュースは「噛む」ことはないので、野菜と同じとはいえません。

普段の食事で野菜をできるだけ多く食べるように心がけ、野菜ジュースは野菜不足を補うためのものとして考えましょう。喉がかわいた時の水分補給や、おなかがすいた時に甘い清涼飲料水よりは野菜ジュースを選ぶというように、無理なく取り入れましょう。

また食事の前に野菜ジュースを飲むと血糖値の上昇を抑え、メタボ予防効果があるという研究結果もありますので、野菜ジュースを上手に活用されるとよいのではないでしょうか。


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