名所・旧跡/九州・沖縄の名所・旧跡

時が止まった島、軍艦島へ【長崎】(2ページ目)

長崎半島の沖合に、特異な外観から軍艦島と呼ばれる島があります。明治から昭和にかけて、近代産業を支える炭鉱の拠点になりましたが、歴史の波に翻弄されて人々がいなくなり、そのまま時が止まってしまいました。近年では、近代産業発展への功績の評価から、注目が集まっている軍艦島を訪ねてみましょう。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

軍艦島へ行くには、ツアー参加が必要

軍艦島上陸クルーズ/ブラック・ダイヤモンド号

軍艦島上陸クルーズの船、ブラック・ダイヤモンド号(2014年2月撮影)

軍艦島へ行くためには、専門のガイドが同行する長崎港出発のツアーに申し込みます。所要時間は軍艦島の見学を含めて往復3時間程度。午前と午後のコースがあり、空きがあれば当日申し込むこともできますが、あらかじめ予約しておいた方が確実ですね。予約は電話やインターネットで行えます。

軍艦島へ上陸するツアーを主催する会社は複数あり、会社によって長崎港の出発地点が長崎駅に近い元船桟橋、長崎港ターミナル、大浦天主堂近くの常磐桟橋など異なります。

またツアーのコースも軍艦島に上陸するだけのものや、軍艦島へ上陸する前後に島の周囲を一周するものなどバリエーションも異なります。乗船料も会社により異なりますので、出発時間などを加味して、都合の良いものを選ぶとよいですね。

なお、どのツアーも軍艦島上陸のために誓約書を記入することが参加条件です。ホームページから入手して事前に記入後持参するか、チケット購入時に記入するかのどちらかが必要になりますので、時間に余裕を持ってツアー主催会社の窓口へ行きましょう。

 

いざ、軍艦島へ!

女神大橋の下をくぐろうとするブラック・ダイヤモンド号

女神大橋の下をくぐろうとするブラック・ダイヤモンド号。長崎港の風景も軍艦島に行くまでの見所の一つ(2014年2月撮影)

さて、ガイドが申し込んだのは長崎港ターミナル横の元船桟橋から出航する軍艦島上陸クルーズ。ツアーを主催する会社の中では唯一、高島に立ち寄ってから軍艦島へ上陸するコースです。

乗船する船は高速船ブラック・ダイヤモンド号。1階の船室に座席があり、2階のオープンデッキに座ることもできます。

長崎港を出ると、ゆっくり港内を進みながら女神大橋をくぐり、一路、伊王島へ。ここでも乗客を乗せて、伊王島大橋をくぐり、軍艦島と同様に海底炭鉱があった高島へ向かいます。

 

高島・石炭資料館にある軍艦島の模型

高島・石炭資料館にある軍艦島の模型。小さな島にびっしりと高層の建物が造られていることが良くわかります(2014年2月撮影)

高島・石炭資料館

高島・石炭資料館。軍艦島の歴史も含めた周辺の炭鉱開発に関する資料が展示されています(2014年2月撮影)

高島ではいったん下船し、港からすぐ近くにある石炭資料館に入って、模型を基にして軍艦島がたどってきた歴史や建物を含めた島の構造について説明を受けます。

石炭資料館の中には、他にも高島や軍艦島など周辺の炭鉱開発に関する資料がまとまって展示されており、模型での説明を受けた後に見学できます。

高島で軍艦島に関する予備知識の勉強を済ませた後は、再度ブラック・ダイヤモンド号に乗船。軍艦島はもうすぐです。

 

中ノ島の向こうに軍艦島の島影が見えます

中ノ島の右手に見えてきた軍艦島。異様な外観に改めて驚きます(2014年2月撮影)

しばらく航行していると進行方向右手、中ノ島の向こうに軍艦島が見えてきます。初めてみるとやはり異様な外観が印象に残りますね。

ブラック・ダイヤモンド号はどんどん軍艦島に近づき、全景が見える所でいったん停止。ここで島の全景の写真撮影ができます。

その後、他のクルーズ船が島を離れたのを見て、軍艦島唯一の桟橋、ドルフィン桟橋に着岸。いよいよ上陸です。

 

それでは軍艦島の中へ入りましょう。次ページに続きます。
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