感情に振り回されて、ケンカが増えていませんか?
その話し合い、感情に振り回されず、冷静に伝えられていますか?
とはいえ、口を開けばののしり合うばかりで、関係を修復できないケースや、家族や他人を巻き込んで問題を複雑にしてしまうケースなど、こじれる方向に突き進んでしまう例も少なくないものです。一方で、ケンカに至ることなく冷静に話し合えるカップルもいれば、話し合うごとに関係を深めていける夫婦もいます。この違いはどこからくるのでしょう?
その謎を解くヒントの一つに、アメリカの精神科医 ボーエンが説いた「自己分化」という言葉があります。自己分化とは、「情緒」と「知性」が分かれ、感情に巻き込まれずに、物事を考えたり行動したりできる心の状態です。
自己分化度が高い人は、情緒と知性、それぞれを豊かに発展させることができ、豊かな感情を持ちながら感情コントロールも上手く、物事を冷静に判断することができます。一方、自己分化度が低い人は、情緒と知性が融合しているため、感情に振り回されて人や物事を判断する、行動が感情に邪魔をされる、といったことがよく起こります。
したがって、自己分化度の低いカップルや夫婦が話し合いを始めると、感情がぶつかり合うばかりで、収拾がつかなくなってしまうことが少なくありません。
自己分化度が低いと他者を巻きこみやすい
ケンカのたびに、つい誰かを巻き込んでいませんか?
カップルや夫婦の関係にトラブルが起こった際にも、子どもや友だちと同盟を組んで2対1で相手を責めたり、親を味方につけて自分の正しさをアピールするといった例が、よく見られます。自分の立場を有利にしするために、無意識に行ってしまう行為ですが、第三者を巻き込むことで、問題をややこしくしてしまうことは少なくありません。
そんな私も、夫に文句を言った末、つい息子に向かって「お父さんひどいよねぇ。そう思うでしょ?」と同意を求めてしまったことがあります。息子に「さあね!」と突き放されてハッとしましたが、恥ずかしながら、これは母親である私が、息子を巻きこもうとした悪い例です。
感情との付き合い方を分析してみよう
感情的なケンカを繰り返して、傷つけ合い、信頼関係を失わないためには、自分とパートナーに次のような傾向がないか、チェックしてみましょう。感情に振り回されやすく、自己分化度が低い人と思われる人に、よく見られる傾向を上げてみました。・ イライラした感情をどうにもできず、そのまま誰かにぶつけてしまう
・ 「あの人はこういう人」などと、感情で人や物事を判断してしまう
・ 気に入らないことがあると、すぐに不機嫌になる
・ イヤなところがよく目につき、イライラしてしまう
・ 賛成、同意してくれる人がいないと、不安になってしまう
次のページでは、「感情に振り回されない自分」の育て方をお伝えします。