損害保険/損害保険関連情報

地震保険を契約する人は、右肩上がりに増えている(2ページ目)

地震保険の契約をする人は、阪神・淡路大震災以降、ずっと右肩上がりで増え続けてきました。財務省「地震保険に関するプロジェクトチーム」の報告書に盛り込まれた「さらなる地震保険の加入促進」を受け、現在では、地震保険の加入促進活動も進行中。今、どれくらいの人が地震保険に入っている?

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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新築ほど高い傾向がみられる地震保険の付帯率

一方、建築年別に付帯率を見ると、新しい建物のほうが高く、古い建物では低くなる傾向が見られます。
1984年以降新築された建物の地震保険料は、10%の建築年割引が受けられるしくみがあります。また、一定の耐震等級の住宅であれば、最高30%とさらに高い割引が受けられ保険料が安くなりますので、新しい建物のほうが、保険料が抑えられ地震保険に入りやすいといえるのかもしれません。

ただ考えてみると、古い建物、とくに1984年以前に新築された住宅については、地震により大きな被害を受けるリスクが高いのです。地震保険料の多寡は、そのリスクを反映しているわけですから、むしろ古い住宅こそ、地震保険の必要性が高いと言えるのではないでしょうか。

ただし、旧耐震基準で建てられた住宅であっても、耐震改修を施し、新耐震基準と同等の耐震強度があると認められれば、地震保険料も安くなります。該当する方は、まずは耐震診断・改修を進めましょう。
 
新築のほうが高い付帯率となる傾向がみられる

新築のほうが高い付帯率となる傾向がみられる

※(社)日本損害保険協会のデータ(「地震保険に関するプロジェクトチーム フォローアップ会合第1回補足資料))より筆者作成
 

マンション管理組合の地震保険契約は3割程度と低め

分譲マンションこそ必要な備えも

分譲マンションこそ必要な備えも

全体では順調な伸びを示している地震保険の契約件数ですが、一方で低めに抑えられているのが、マンション管理組合が契約する分譲マンションの共用部分を対象とする地震保険契約です。近年では若干伸びてきているとはいえ、2012年度に契約された共用部分の契約は、36.1%と全体の付帯率の6割程度に過ぎません。

しかし、被災が深刻であるほど、マンション修繕・再建には修繕積立金を超える多額のお金がかかることもしばしばです。こうしたときに住民が力を合わせて生活再建を図っていくためには、資金の裏付けを作っておくことがとても大切ではないでしょうか。

今年の7月には地震保険料の改定がありますが、地域や建物により保険料のアップダウンは異なります。早くから管理組合内での検討を進めて、リーズナブルな保険料で、万全な準備に臨むことをお勧めします。

【関連リンク】
地震保険に関するプロジェクトチーム フォローアップ会合 
地震保険に関するプロジェクトチーム フォローアップ会合第1回補足資料
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