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勅使川原三郎 U18プロジェクト インタビュー(3ページ目)

東京芸術劇場主催・勅使川原三郎監修による『U18ダンスワークショップ・プロジェクト』。2012年の第一期を経て、2013年秋より第二期をスタート。2014年1月には東京芸術劇場でデモンストレーション公演を開催し、半年間に渡る稽古の成果を披露しています。勅使川原氏に、『U18』の狙い、展開についてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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新鮮に動くこと、身体を感じること……。単純なようでいて、非常に奥深い作業ですね。

勅使川原>それは、考えるということでもあります。『U18』の子たちは言葉を巧みに使うことはできないけれど、きちんと感じているし、実は微妙に細かいことを考えているんだと思う。考えていないと、出来ないようになってるんです。つまり、工夫です。自分の身体を検証して、身体がちゃんと動いてるかチェックしない限りは、あのように滑らかに動けないし、変化させることはできない。

みんなしっかり考えてますよね。考えるということが大事で、考えながら身体を動かすということが、思考力を鍛えてるんです。身体というのはリアルであり、リアルなことを考えている訳だから、今度はかなり具体的な言葉に置き換えられるようになるでしょう。そうすると次は想像力、空想する力も鍛えられる。きちんと身体に向き合っていたら、音楽や彫刻や絵画といった他のジャンル、他の次元の表現に対しても理解する、自分の中で受け入れることができるようになると思います。

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第二期『U18ワークショップ』のクラス


自身の身体と向き合うという経験は、ダンスだけでなく、日々の生活にも役立ちそうです。

勅使川原>本当にそうです。健康や病気、自分のコンディション、気分的なこと、精神的なこと、心理的なことも含めて、何とどのように調和を持つか、大切だと感じるか。大切なことを、どのように扱うかということも重要だと思います。もちろん、簡単じゃないですよ。特にあの年代は難しい。でもそれは、歳を取っても同じですよね。たぶん、誰にとっても簡単ではない。

劣等感や葛藤を抱えていて、“あぁ、ダメだな”っていうのはいくつになってもあるもの。けれどそれが人間だと思うし、決して悪いことではなくて、常にそういうものだと思う。不安、恐れ、どうしたらいいかわからない、決断力がない、悩み、人に裏切られたと思ったり、そう思われたらどうしようとか、思われないようにしよう、そうするとちょっと嘘を吐くことになる……とか。

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第二期『U18ワークショップ』のクラス


大人は始終そんなことを考えながら仕事をしていたり、生きていますよね。子供たちも同じで、学校でもいろんな葛藤があると思います。ただ少なくともワークショップの場では、自分はこうである、自分の身体をこうしたから上手くいったと考える。そしてこれが終わりではなくまだ続くのだとしたら、生きる上での相当な知恵になると思うんです。それと芸術的な表現とが結び付いたら、これほど面白いことはないですよね。



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