損害保険/傷害保険の基礎を学ぼう

傷害保険の保険料率・約款の改定で今後どうなる?

傷害保険の保険料率、約款が2013年10月に大手損保を中心に改定されています。保険約款の変更は、補償範囲や保険金支払いの基準にも大きく影響します。傷害保険の改定と主な注意点について解説します。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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傷害保険、約款どう変わった?

傷害保険、約款はどう変わった?

普通傷害保険、家族傷害保険、交通事故傷害保険などの傷害保険が主な損保で2013年10月に改定されました。

すべての改定内容が全社一律で完全に共通した変更ではないことを最初にお断りしておきます。

ただシェアの多い主要な損保が改定し始めたので、細かい商品性などの違いはともかく、主要な部分の改定の流れは業界全体で止まらないのではないかと思います。

保険料率だけであれば、負担する保険料の問題だけですが、今回気にしなればならないのは約款が変わっているということです。これは保険金の支払いに大きな影響がありますので見逃せません。2013年10月の傷害保険の改定について解説します。

傷害保険の何が改定されたのか?

2013年10月の改定の内容は大きくわけると以下の3点です。

  1. 保険料率改定
  2. 保険約款の改定
  3. その他商品改定や特約等の改定・廃止

3については各社商品が違うので、当然内容もバラバラです。保険料率の改定と、特に今回注目したいのは保険約款の改定です。ここが変わると保険金の支払いに影響があります。

その点では、分かりやすく良くなった改定とそうでない改定があります。

2013年10月の傷害保険改定の背景は?

後遺障害保険金や通院保険金の支払いなどが増えていることなどが、保険料率改定の主な理由のようです。約款については、保険金支払いの際の分かりにくさなどの解消、規定の明確化などが関係しています。

今回の改定で覚えておきたいことは、傷害保険は積立を除くとほとんど1年契約であるということです。例えば終身タイプの医療保険などは、一度契約すれば契約当時の約款の規定が原則ずっと適用されます。

しかし保険期間が1年の傷害保険では、満期後に改定された保険約款に変わっていきます。契約内容や事故の状況などによって以前は保険金をもらえたが、今回はもらえない(逆のこともあり)ということがでてきます。

傷害保険の改定内容

ここからは、主な傷害保険の改定内容について具体的内容について確認していきましょう。最初にお話ししたように、各社同じようにしていない部分があることは考慮してください。

■傷害保険の後遺障害の改定
傷害保険の後遺障害保険金は、傷害保険の独自の支払い区分を元に支払われていました。これが政府労災の基準に合わせた後遺障害等級表(第14級:4%~第1級:100%)に統一・変更になりました。

同じ後遺障害でも支払い基準が違っていたため、支払われる金額も違って分かりにくいところがありましたが、基準が明確になりました。

■入通院の定義の明確化
入通院には「治療」が必要との文言がありますが、医師が必要であることを認め、医師が行う治療となりました。

これにより通院では、薬剤・診断書・医療器具等の受領のためのものなど、治療を伴わないものは含まなくなりました。

■傷害保険の入院保険金の改定
平常の業務に従事できないなどの業務支障要件がありましたが、これが撤廃されました(みなし入院という)。改定後は実際の実入院日数が対象になります。

次に手術や通院保険金やギブス、交通事故傷害保険の改定内容について>>>

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