介護業界の実際
確かに業界が総体的な人員不足であるということは否めませんが、介護が働きがいのある仕事だと思い業界に携った方々の間でも、職場を転々とする風潮があり、それが世間の評判に通じている部分もあります。離職者の内訳をみると、入職後3年以内の離職者が74.3%を占め、うち1年未満での退職者が半数以上を占めています(24年度介護労働実態調査)。入職1年以内の退職理由はなんでしょうか。どうしても職場の不都合な点が先に気になりがちで、職場の良い点を考えていく期間には、少し短すぎるようにも思います。なぜなら、仕事のやりがいに気づくには、自分自身が何を目標に入職したのかと照らし合わせる心の余裕が必要だからです。
筆者の顧問先である有料老人ホームでは、開所後19年目を迎え、昨年より開所当初から勤められていた職員が定年退職を迎える時期に入りました。時を重ねると職場の良さも見えてくるようで、石の上にも3年とはよく言ったものです。一つの職場で納得し継続か否かを判断する時期として、少し長い目で見る事で、新たな自分を発見する機会にもなります。
大切なことは、噂に惑わされず実際働いてみることです。中には働いてみたがやっぱり自分に適さないという方もいるでしょう。これは選択しやってみた結果です。一番残念なのはマイナス情報ばかりを鵜呑みにして実行に移さないことです。
ここでは「働いてみよう」と思っている方に、未経験で入職し自分らしく働いている職員の特徴をお伝えします。特徴は3つあり、次のページから順に説明していきます。
- 人間関係の距離を調整する
- 周囲に流されない
- 体力にあった雇用形態、雇用条件を選ぶ