食と健康/食と健康の基礎知識

気になる加齢黄斑変性とルテインの関係(2ページ目)

ルテインは、色素成分のカロテノイドのうちの一つ。近年、加齢による黄斑変性や白内障の予防にも役立つと考えられ、注目されている成分です。今回はルテインと加齢黄斑変性への作用などについてご紹介しましょう。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

ルテインに黄斑色素を高める作用?

緑黄色野菜,ルテイン

緑黄色野菜にはルテインがおおく含まれています。

ルテインは、黄斑色素濃度を高める働きがあり、ルテインが含まれる果物や野菜を多く食べると、加齢黄斑変性や、また白内障のリスク軽減につながるという報告がいくつかあります。

ルテインと、青魚などに多く含まれるω-3系の不飽和脂肪酸を合わせて摂取するとルテインの黄斑保護機能が向上するという報告や、またビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどの抗酸化ビタミンや亜鉛などの抗酸化ミネラルなどを摂取することも有効と考えられています。

ただしルテインを摂取した場合、健康食品の安全性・有効性情報では、
「白内障や加齢黄班変性のリスクの低減に対して、ヒトでの有効性が示された報告はいくつも示されていますが、サプリメントとして摂取した場合に同等の効果があるかどうかは不明である。またその安全性についても、経口で適切に摂取する場合にはおそらく安全と思われる」
と記載されています。

特にサプリメントなどの濃縮した食品の有効性については研究過程ですし、食事として摂取することもどの程度食べれば効果があるかは明確ではありません。今後の進展が期待されているというのが現状です。

食事の偏り、栄養不足に気をつけて

ルテインは、ほうれん草やブロッコリー、芽キャベツ、ケール、クレソン、エンドウマメなど主に緑黄色野菜に多く、またとうもろこしやズッキーニ、レタス、鶏卵などにも含まれています。

また緑茶の特に玉露やかぶせ茶は、日光を浴びた煎茶(一番茶、二番茶、三番茶)に比べてルテイン含量が高いそうです。ただし、ルテインは脂溶性成分であるため、お茶としてお湯で浸出すると溶けて出ません。茶葉を混ぜた衣で天ぷらにするなど、食べて摂取する工夫が必要です。

加齢黄斑変性のリスク低減に関わらず、ルテインを初め、抗酸化ビタミンやミネラル、DHAなどの成分を含む食品を幅広く、日常の食事から摂取することは、健康を維持する上でも役立つことです。

参考/
・ルテイン(健康食品の安全性・有効性情報)
・加齢黄斑変性(難病情報センター)
・平成21年福岡県農業総合試験場 八女分場
・FFIジャーナル(Vol.215)
その他

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます