土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

老朽化物件の出口戦略(3) 賃貸経営からの撤退(売却)

賃貸物件が老朽化して寿命を迎えた場合、建て替え・買い換え・リノベーション等により、賃貸経営を継続することができます。しかし、賃貸経営は長きにわたる為、経営の継続には次世代の方の状況も考慮しなければなりません。もし、次世代の方が賃貸経営を継続できない場合などには、物件を売却して「賃貸経営から撤退する」というのも選択肢の一つです。実際に物件を売却して金融資産に換えたオーナー様の事例をご紹介します。

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老朽化物件の出口戦略について全4回にわたってご説明しています。出口戦略には(1)リノベーション(再生)、(2)建て替え、(3)買い換え、(4)賃貸経営からの撤退(売却)の4つがありますが、この第3回目では「賃貸経営からの撤退(売却)」についてご説明します。

売却して金融資産に変え、老後を思い切り楽しむ

悠々自適なシニアライフ

売却資金で豊かなシニアライフ

賃貸物件として長年、自分の生活を支えてくれた建物が老朽化したとき、どのような道を選択するかは、オーナーさんの人生観にも関わってくる問題です。賃貸経営をやめてもオーナーさんの人生は続くわけですから、老後の生活費をどう工面するか、次の世代に財産を残したいと思うかどうかによって選択も変わってきます。

都内に2棟の賃貸マンションをお持ちだったある女性オーナーさんは、最近、賃貸経営から完全に撤退されました。この方には息子さんが1人おられたのですが、すでに独立していたため、現在は1人暮らしでした。

それでも将来的には息子さんに賃貸経営を引き継ぎたいと考えていたところ、その息子さんが外国の女性と結婚し、海外に移住してしまったのです。オーナーさんは一人息子のために、保有する物件とは別に分譲マンションの部屋まで用意していたのですが、息子さんが独断で結婚してしまったことで、親子の間に摩擦もあったようです。

息子さんが賃貸経営の継承よりも新しい伴侶を選んだことで、オーナーさんはがっかりしてしまい、賃貸経営を続けていく気力を失ってしまったのでした。そして手持ちの不動産を売却し、売却資金で豊かなシニアライフを送ろうとご決断されたのです。

オーナーさんの所有する物件は、1棟は鉄筋コンクリート造の5階建てマンション、もう1棟は老朽化した箇所がところどころ目立つ2階建ての木造アパートでしたが、オーナーさんの希望により両方の物件とも売却することになりました。

マンションについては、今後も十分な収益が見込まれたことから、利回りの良い収益物件として、建物も入居者もそのままに売却することになりました。

問題は木造2階建てのアパートでした。老朽化して収益力が落ちており、収益還元法で計算して収益物件として売却すると、土地価格からみて不釣合いな安値しかつけられません。そこでこちらについては、既存の入居者のみなさんに立ち退きをお願いした上で、建物を解体し、更地として売却することになりました。

2つの物件の売却代金は3億円ほど。こちらのオーナーさんにはもともと借入れ等はほとんどなく、税金を引いても2億5000万円ほどが手元に残りました。これについてはファイナンシャル・プランナーとも相談し、株式や投信、定期預金などでポートフォリオを組んで、運用していくことになりました。つまり不動産資産を金融資産に換えたわけです。

今は息子さんのために用意したマンションにご自分で住み、もともと趣味の俳句でご自分の作品を集めて出版したり、ヨガなど新たな趣味も始められたりしたとのことです。

更新日:2012年06月30日

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