住宅購入の費用・税金/住宅購入費用・予算

家賃と生活費で毎月いくら?30年後も大丈夫?

何も困ってないし毎日楽しいし、何かを変えなきゃいけないなんて思ってない、というA子さん。今の生活費と家賃をいつまでも払い続けられるのでしょうか。何も考えずに年を重ねると、とんでもないことに。将来のための資産形成が必要です。

大石 泉

執筆者:大石 泉

シングルのマンション購入ガイド

あなたは毎月いくら使っていますか?月末になるとお財布や貯金通帳が空っぽ、ということはありませんか。毎月いくらの収入があって毎月いくら支出しているかなどまったくわからず、ただただ残高だけを目安に生活していませんか。

理論的には、毎月の稼ぎの範囲内で支出していれば、家計が赤字になることはありません。毎月30万円使うならば、毎月30万円の手取り収入があればよいのです。年間だと360万円。あなたの家計はどのような状況でしょうか。

収入が限りなく支出に近い場合、つまり収支(収入―支出)がゼロの場合は少々大変です。友達の結婚式、衝動買い、バーゲンシーズンなど、いつもと異なる大型出費があると、収支に余裕がないため支出が収入を上回り、家計は赤字に転落します。ひと月だけなら何とか持ちこたえることも可能でしょう。お給料日まで辛抱すればよいのですから。ですが、この状態が数ヶ月続いたら?

使い続ける(?)A子さん

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今、楽しければ、将来もハッピー?

日頃、物質面と金銭面では、まったく困っていないというA子さん。毎月が赤字になることはないけれど、余ることもないので貯金はゼロ。ボーナスも旅行代や通常月には買えない高額なお買い物に消えていくそうです。そんなA子さんに、「このまま同じ調子で使い続けるのですか」とストレートに尋ねると、「考えたことない」との回答。では、お仕事は何歳まで続けるのですか、と質問を変えると、「考えたことない」と同じ答えが返ってきました。

今、この時が本当に楽しいA子さんです。そんなA子さんと一緒に将来のお金を試算をしてみました。手取り30万円、家賃など住関連費15万円、光熱費・通信費7万円、食費6万円、雑費2万円、現状はざっとこんな数字です。

A子さんは正社員で定年は60歳。定年後、働かなければ収入はゼロです。現行制度では、65歳から公的年金が支給されますが、A子さんの支出30万円をまかなうには程遠い年金額です。月額換算で年金給付額が15万円だったとしても、残り15万円が赤字です。月額15万円の赤字となると、20年間の累計では何と3600万円です。

減らしてためる戦略を

読者の皆様もぜひご自身の数字で試算してみてください。将来の年金は、ご自身の年金定期便などの数字を利用ください。自分の数字で試算することがポイントです。

さて、A子さんが現在の生活スタイルを変えず支出額が維持されるとすると、家計は赤字。公的年金の支給額と相殺してひと月あたり15万円の赤字となり、20年間の類型では3600万円となるのは前項のとおりです。現在30歳のAさんが60歳までの30年間で3600万円をためようとすると、月額6.3万円の積立てが必要です(3%複利の場合)。

もし、定年後の生活費を5万円削減できれば、20年間の必要費は2400万円。現役時代の積立額は毎月4.2万円で済みます(3%複利の場合)。もちろん、定年後の必要費は60歳や65歳時に全額必要なわけではありません。80歳に必要なお金は80歳時にあればよいのです。よって、実際はもう少し低額な積み立てとなります。ポイントはAさんにその気があるかということと、何を減らすかという点です。
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