試験前日の睡眠は、記憶力、集中力、覚醒度に影響する
合格するためには、勉強と同じくらい睡眠が大切です
睡眠不足は記憶力だけでなく、覚醒度や集中力にも悪影響を与えます。いつもは8時間眠っている人が睡眠を2時間削るだけで、体重1kgあたり0.54gのアルコールを飲んだのと同じ眠気が起きます。このアルコール量ではほろ酔い状態となり、道路交通法によって酒気帯び運転あるいは酒酔い運転で検挙されてしまうほどです。
受験直前に風邪をひいたりインフルエンザにかかってしまったりするのも避けたいところでしょう。細菌やウイルスに対する抵抗力は、睡眠中に維持・強化されるため、睡眠時間が減ったり細切れにしか眠っていなかった場合、身体の抵抗力が落ちて、風邪やインフルエンザにかかりやすく、かつ治りにくくなってしまいます。
受験生は勉強だけでなく、睡眠に対してもできるだけ注意を払った方がいいのです。
試験前日の睡眠のコツ……ゆっくり入浴しリラックスして入眠
受験日の前夜には、勉強よりも体調管理に力を注ぎましょう。普段と同じように生活するのがいいのですが、緊張して寝付きにくい人も多いでしょう。そんな時は、できればよく眠れるようになることをゆったりした気持ちで取り入れてみましょう。遅い時刻にカフェインを摂ると寝つきが悪くなるので、夕食後はコーヒーやお茶などを飲むのを控えましょう。ただし、コーヒー豆の中でもグアテマラやブルーマウンテンの香りにはリラックス効果があるので、眠る前に香りをかぐだけならいいかもしれません。
眠る前の1時間は、リラックスできることをしましょう。寒い季節には入浴がお勧めです。38~40度のお湯に20~30分ほど入ると、心身ともにリラックスできます。入浴でいったん体温が上がった後、体温が下がるときに眠気が強くなるので寝つきが良くなります。
試験前日の睡眠時間は6~7時間半が理想的
睡眠にはリズムがあり、寝ついてから約1時間半ごとに眠りが浅くなります。起床予定時刻から6時間や7時間半を差し引いて就寝時刻を決めると、朝にスッキリ目覚められます。ただし、受験日の朝に早起きしようとして、いつもの就寝時刻より2時間も前に眠ろうとするのは止めましょう。普段寝ついている時刻の2~4時間前は、「睡眠禁止帯」と呼ばれる時間帯です。このとき、体温は1日のうちで最も高くなり覚醒度が最高になるので、なかなか眠れず、焦っていっそう眠れないというスパイラルに陥りがちです。
布団に入ったら、もう悩んでも仕方がありません。ゆっくり呼吸をして自分の胸の動きに注意を向けたり羊を数えたりして、「眠ろう!」「眠らなければ!」と無理に考えないようにします。
どうしても悩みや不安が消えない人は、受験に成功してハッピーになっている自分を想像してみましょう。合格したらやりたいことや、そのときの自分の姿を、できるだけ具体的にイメージすると気持ちが楽になるはずです。
試験当日の目覚めのコツ……明るい光と朝食でスッキリ!
朝、目覚まし時計のアラームが鳴ったら、布団を蹴飛ばして一気に起きましょう。部屋の明かりをつけ、カーテンを開けて日光を部屋に取り込みます。明るい光は睡眠ホルモン・メラトニンを減らす作用があり、窓際や屋外で日光を浴びると目が覚めやすくなります。朝ごはんは、なるべく食べましょう。脳の主なエネルギー源はブドウ糖なので、朝食を抜くと午前中の脳の活動が鈍くなってしまいます。また、お腹に食べ物が入ると、胃腸にある体内時計が目覚めて、新しい1日が始まります。
朝食には、必須アミノ酸のトリプトファンを多く摂りましょう。トリプトファンは、乳製品や豆類に多く含まれています。体内ではトリプトファンから、気持ちを落ち着かせ、覚醒度を高める働きがあるセロトニンが作られます。
カフェインは、脳の中で睡眠物質の働きをブロックしてくれます。朝ごはんを食べられないときには、コーヒーやお茶を飲んでしっかり目を覚ましましょう。また、カフェインには、手足の血液の流れをよくする作用もありますから、寒い時期にはうってつけ。
ぐっすり眠って気持ちよく目覚めたら、あとは実力を発揮するだけ! 自分を信じて試験に臨んでください。
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