漢方・漢方薬/便秘・下痢・食欲不振の漢方

タイプ別! 便秘のオススメ漢方薬(2ページ目)

2人に1人は悩んでいるといわれる「便秘」。漢方では「便秘なら○○」といった考え方はしません。ここでは便秘のタイプを5つに分け、漢方薬を使用する際のメリットもご紹介します。アナタの便秘はどのタイプ?

杏仁 美友

執筆者:杏仁 美友

国際中医師 / 漢方・薬膳料理ガイド

タイプ別!おすすめ漢方薬

大黄
便秘薬によく使用される大黄。腸が川で便が船ならば、船を動かす力が強いとされる薬です
体質や症状によって便秘をタイプ分けしましたが、それぞれの特長に合った漢方薬があります。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

熱タイプ
比較的体力があり、のぼせや頭痛がするタイプには、血液の滞りを良くする桃仁(とうにん、桃の種子)が入った「桃核承気湯」(とうかくじょうきとう)や、消化管の通りを良くし、気分もスーっとさせる大承気湯(だいじょうきとう)などが代表的です。

気滞タイプ
精神的なストレスを受けやすい人には、気のめぐりを良くする柴胡(さいこ)という生薬が入った「大柴胡湯」(だいさいことう)や、ホルモンの分泌をよくする「加味逍遙散」(かみしょうようさん)などもいいでしょう。

気虚タイプ
子どもの体質改善や、妊娠中でも使用できるのは、下剤成分が入っていない「小建中湯」(しょうけんちゅうとう)です。消化機能を促進し、胃腸を丈夫にする「補中益気湯」(ほちゅうえっきとう)も気虚タイプには向いています。

血虚タイプ
読んで字のごとく、腸を潤す「潤腸湯」(じゅんちょうとう)や「麻子仁丸」(ましにんがん)などは、コロコロの便が出るような習慣性の便秘や高齢者、手術後の方にもオススメですね。

寒タイプ
便秘と下痢を繰り返すような人には「桂枝加芍薬湯」(けいしかしゃくやくとう)や「人参湯」(にんじんとう)。身体を温め、胃腸の機能をよくする働きがあります。


実際には複数の症状が組み合わさっていたり、5つのタイプにきっちりと漢方薬を分けることが出来ない場合もあります。重要なのは、その人の体力・気力を見ながら処方することなんですね。

では、最後のページで、さらに嬉しい?! 漢方の効果をご紹介しましょう。
イメージ
寒タイプはどちらかというと、便秘より下痢をしやすい傾向が
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