癌(がん)/主治医との関係づくり・セカンドオピニオン

医師との面談、理解できていますか?(2ページ目)

検査や手術の後には、必ず医師との面談があります。自分や大切な家族に関するもっとも大切な事柄を、医師から直接じっくり聴ける大切な機会です。医師との面談をよりよく理解するためのポイントを解説します。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

メモを活用する

メモを活用する
意外に忘れられるのですが、医師との面談には、ノートとペンが必須です。
職場でのミーティングや商談にはノートとペンをお持ちになっていると思いますが、医師との面談では、意外に、手ぶらでお越しになる方も少なくありません。やはり、自分や大切な家族の病気にかかわること、医師から話を聞くこと、といった特殊な状況が影響を及ぼしているのかも知れませんね。

ノートの活用法は二つです。一つは、医師の説明を書き写してメモしておくこと。これは、あとで何度も読み返すことができますし、ふとしたことを、あとで調べる材料にもなります。

もう一つは、自分が疑問に思っていることや、不安に思っていることを、質問事項としてあらかじめメモしておくことです。私が行っているインターネット上での医療相談でも、ご質問の何割かは、主治医との面談の時に、おたずねになっていれば、もっとよく理解できたのでは、と感じさせられる内容です。また、話を聞いている時に、ふっと浮かんできた疑問も、ノートの隅にメモっておくと、聞き漏らしを予防することができます。

普段からコミュニケーションを!

普段からコミュニケーションを
立ち入った話を、スムースに進めるためには普段からのコミュニケーションが大切なことは、医療においても同じです。
たとえば、お仕事や子供の学校関連の事柄について、普段、あまり話をしない人と、込み入った商談をしても、なかなか話がかみ合わないことがあります。

がんの治療における医師との面談も同じです。

日頃から、よくコミュニケーションを取っておくことが大切です。医師と、病気のこと以外で話をすることなんかあるのか?と思われるかも知れませんが、何も難しいことではありません。

病室に体調などを聞きに主治医が来たときにも、「今日は暑いですね」といった気候のあいさつならできるはずですが、意外に、テレビを見たまま、半分無視というご家族もいらっしゃるものです。

また、病院に入院していると、病棟だけでなく、階段、はては、食堂・売店などで、意外に主治医とすれ違うことがあるものです。何しろ、医師は、病院内を走り回っているものですから。私自身、売店で夜食の買い出しをしている時に、患者さんのご家族にお会いすることもしばしばありました。

そんなときに、「先生、こんにちは。」と声をかけたり、忙しそうなときには目線だけをあわせて軽く会釈するといったコミュニケーションを取っておくことです。

こういった何でもない日頃のコミュニケーションが、医師との病気に関する面談の時に効果を発揮するのではないでしょうか?

わからないことはすぐ聞く、メモを活用する、日頃からコミュニケーションを取っておく、という3つのポイントを押さえておくだけで、主治医のお話は、ぐっとわかりやすくなりますよ。

【関連リンク】
がんの告知には2種類あるのをご存じでしょうか?
 ⇒知っておきたいがんに関する2つの「告知」(All About がん・がん予防)

がんの告知は、必ず主治医が行います。
 ⇒もし明日、「がん」と告知されたら?(All About がん・がん予防)


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