プレゼンテーション/効果的なプレゼンテーション

プレゼンの上手い話し方のコツ…聞く人を惹きつける8つのポイント

プレゼンにおいて、聞き手に好印象を与えるかっこいい話し方は是非とも身につけたいもの。声の大きさや手ぶり(デリバリースキル)など、プレゼンの上手い人が実践している話し方のコツを、8つのポイントごとに紹介いたします。

野村 尚義

執筆者:野村 尚義

プレゼンテーション・企画力ガイド

プレゼン中の話し方のコツとは?

プレゼンでの上手い話し方

ビジネスにおけるかっこいいプレゼンのスキル

プレゼンテーションする際の表情やボディーランゲージなど、いわゆる「話し方のスキル」を磨くことは非常に大切です。こうした話し方のスキルは、専門用語では「デリバリースキル」と言いますが、専門的なトレーニングを受ける機会は多くないですよね。

正直な話、こうしたデリバリースキルを文章だけで伝えるのは無理があるのですが、可能な範囲でポイントをお伝えしようと思います。ただし、今回の記事は特に、読んで理解しただけでは何の意味もありません。ぜひプレゼンテーションの実践で身につけていってください。
 
<目次>
 

話し方のスキルを高める目的……聞き手にに好印象を持たせる

プレゼンでの上手い話し方

デリバリースキルを高めることは重要。そこには2つの目的があるのです

デリバリースキルを高めるとは、どうなることを言うのでしょうか? ここには実は2つの意味合いがあります。

1.格好良く話せるようになる
どうせプレゼンテーションをするならば、格好良くそれができたほうがよいと、誰もが思うでしょう。デリバリースキルの向上は、このような状況を作り出してくれます。

ただし重要なのは、人それぞれ格好良い話し方のイメージは違うということ。知的で切れ味鋭いプレゼンを格好良いと感じる人もいれば、情熱的でパワーのあるプレゼンこそがカ格好良いと思う人もいるでしょう。

だから、まずは自分にとっての格好良い像を明確にする必要があります。このテーマについては、「好印象を与える振る舞い」で詳しく書きましたので、そちらをご覧ください。

2.聞きやすく伝わりやすくなる
デリバリースキルを高めると、聞き手にとっても話が伝わりやすくなります。たとえば、ボディランゲージや間の置き方、話のスピードが適切になれば、話はわかりやすくなります。

そしてこのことが、実は格好良く話せるようになること以上に重要なのです。考えてもらえればわかりますが、格好良く話せるようになりたい気持ちは、話し手目線の欲望。それに対して「聞き手が聞きやすいように」は視点が聞き手に向いています。「プレゼンテーションの基本構成」でお伝えした「プレゼンテーションはプレゼント」の考え方から言っても、話し手の全ての行為を、聞き手のために行うという視点がとても重要なのです。
 

話し方スキル向上の8つのポイント……声の強弱等

プレゼンでの話し方のポイント

声の大きさや話すスピード、強調、間などはプレゼンの印象を大きく左右します

では実際にデリバリースキルを高めていくためには、何を気をつければよいのでしょうか? 私はプレゼンテーション研修の場で「8つのポイントにさえ気を配れれば、魅力的な話し方になることは、ほぼ間違いありません」と伝えています。
では、その8つのポイントとは何なのか? 1つづつ見ていきましょう。

1.声の大きさ
声はある程度まで大きいほうがいいです。逆に、声の小さな人は印象面で損をする可能性が高まります。ほんの少し考えてみればわかること。声の小さな人って、どういう印象に見えますか?「元気がないなぁ」という印象か、「話している内容に自信がないのかな?」という感じがしませんか?

プレゼンテーションにおいて、声の大きさはパワーやエネルギーの表れとして見られます。むやみにガナリ立てる必要はありませんが、聞き手からしてパワフルに感じてもらえるだけのボリュームは維持しましょう。

2.話すスピード
あまりに速すぎたりあまりに遅すぎるのは問題ですが、多少速いとか多少遅いくらいならば、プレゼンとしては問題ないです。ただし、話すスピードは話し手の印象を変えますので、自分の出したい印象に合わせてスピードをコントロールするという視点が必要でしょう。

話すスピードを上げると知的なイメージが出しやすい一方、落ち着きがないと受け止められるリスクがあります。ゆっくり話すとどっしり落ち着いた印象を出しやすいのですが、シャープなイメージは出しにくい。一長一短がありますね。

私の経験ではビジネスという場では、どちらかといえばゆっくり話すほうがうまく機能することが多い気がしています。というのは、話し手はついつい緊張してスピードが上がっていく傾向にあるから。ゆっくり話すことを意識するくらいで、話のスピードがちょうど良くなることが多いようです。

3.強調
重要な箇所は、それ以外の箇所よりも大きな声でゆっくりと話す。少し表現を変えれば「重要な箇所は、重要っぽく話す」ということ。こうして強弱をつけて話すことによって、聞き手にとってわかりやすいプレゼンテーションになります。

また、強調を使って話すことによって、聞き手からの印象も良くなります。重要な箇所と重要でない箇所で強弱がつくわけですから、話し方が単調になるのを防いでくれます。

4.間(ま)のあけ方
話している中の「、」や「。」に相当するところで、少し間をあける。この間を意識して話すのか、そうでないのかでプレゼンのわかりやすさや印象は大きく違ってきます。

私たちは話し手の立場にまわると、ついつい間を怖がってしまう傾向にあります。ほんの少しでも間があくと「何か話さないと」と考えてしまう。でも、その考え方は大きな間違い。

ゆっくり間をとって話したほうが、聞き手にとっては圧倒的に聞きやすいもの。そして、間をとって話すほうが、落ち着いて自信ありそうに見えるものです。

5.姿勢
プレゼンにおいて、姿勢が及ぼす影響は意外と大きなもの。姿勢が良いからといって大きな印象のプラスポイントにはならないのですが、姿勢が悪いことは大きなマイナスポイントになり得ます。

話し手の姿勢が悪いと、どことなく「この人は、あまり話す気がないのでは?」と感じさせてしまう可能性が高まります。態度を疑われてしまうのですね。

それを避けるために、姿勢にもしっかりと意識を向けましょう。やることは簡単です。背筋を伸ばして胸を張る。そして、ほんの少しだけアゴを引く。あとは、プレゼンの最中、そのキレイな姿勢を保つのみです。

6.ボディランゲージ
ボディランゲージとは、身振り手振りのこと。ボディランゲージが適度にあると、聞き手としては話し手からの情熱を感じ取りやすくなります。「この人は一生懸命話している」という感じが、身体全体から伝わるのでしょう。

では、どのようにボディランゲージをすればよいのかというと、話の内容にもよるので、なかなか一概に言うのは難しい。そんななかで、アドバイスをするとするならば「うまい人のボディランゲージを真似よ」ということでしょう。

たとえばテレビの司会者。彼らの多くは、非常にボディランゲージが多彩です。存在感を示しつつも、出すぎない。「この司会者のボディランゲージに注目して、今日はテレビを見てみよう」というような視点を持ってテレビを見れば、いつもと違うことに気付くはずです。

7.表情
プレゼンの際に表情をコントロールできる人は、それほど多くありません。多くの人は無表情になりすぎてしまいます。目の前の聞き手への敬意の表れとして、口元に笑顔がほしいものです。

表情というのは、自分が笑顔を出せているのかどうか、意外と自分では気づかないもの。できればビデオで撮ってチェックするくらいの手間をかけてほしいところ。それだけの価値はありますよ。

8.アイコンタクト
まず前提として、聞き手と視線を合わせて話すことです。それがないと、聞き手は「自分たちに話してくれている」という感覚が持てません。聞き手1人ひとりに、まんべんなく視線を送る。ざっくりと全体を眺めるのではなく、常に「誰かひとり」を見て話すのです。そしてその「誰かひとり」が順々に移っていく。そんなイメージでやってみてください。

ひとりに視線を送る時間の目安としては「ワンセンテンス・ワンアイコンタクト」。つまり一文、「。」が来るまでを誰かひとりに話し、次の「。」が来るまでをまた別の誰かひとりに話す。それを繰り返していきます。

デリバリースキルについて8つのポイントをお話ししてきましたが、すべてのポイントを意識して話すのは難しいものです。まずは、1つづつ意識して話してみてください。ある程度、納得がいくところまで行ったら、別のポイントを1つ意識してみる。

それを繰り返しているうちに、いつの間にか意識することなく8つのポイント全てを高い水準で実行できているはずです。それは、教習所にいたころは大変だった車の運転が、いつの間にか意識せずともスイスイ運転できるようになっているのに似ているかもしれません。

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