企業のIT活用/会計/確定申告・青色申告

給与所得者に年末調整が消える時

確定申告時、税務署に行かず自宅や会社のパソコンから申告できるようになります。これが電子申告です。またあわせて年末調整の廃止が検討されています。つまりサラリーマンも確定申告を行う時代が近づいています。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

皆さん、税務署へ行かれた経験はありますか?

マンションや一戸建てを買った時に住宅ローン控除の手続きに、確定申告へ行かれた方も多いと思います。

関連ガイド記事:住宅と確定申告 -2003年3月版-

一部郵送もありますが基本的に行政サービスを受けにいちいち「窓口」に出向かなければなりません。平日に行こうと思えばサラリーマンなら会社を休む必要があります。

民間のサービスではインターネットで予約や決済を済ますことは当たり前になりつつあります。行政サービスだけ窓口に「出頭」しなければならないというのではIT化の成果を目に見える形で国民に還元しているとは言えません。



そこで、e-Japan戦略では電子申請の推進が進められています。

e-Japan戦略
日本が5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す国家戦略です。
詳しくは→国・支援機関の施策

国では、あらゆる申請・届出等手続きの電子化を実現するため、必要な基盤整備や制度整備を進めています。その一つが電子申告です。

電子申告
電子申告

電子申告

国税庁はインターネットで税の申告や納税ができる「国税電子申告・納税システム」の運用を2004年から始めています。

個人については還付申告も含めた所得税や消費税の申告がインターネットでできるようになっています。法人も法人税や消費税の申告が可能になりました。青色申告の承認申請などもパソコンで出来るようになります。

当初は東海地方から始まりましたが、6月以降、全国で利用が可能になりました。現在e-Taxの受付時間は午後9時までですが来年の確定申告期間は受付時間が午後11時までとなり、利用しやすくなります。

これにより納税者は税務署に出向かず、パソコンで申告や納税できるようになります。 これが電子申告です。

※電子申告は既にアメリカ・イギリス・ドイツ・韓国・フランス・カナダ・オーストラリア等で始まっています。

電子申告のメリット・デメリット

電子申告のメリットとしては申告書の提出や郵送の手間がなくなることがまず第一です。紙の量が削減され納税者側の利便性が向上します。また国税当局側の事務量も軽減がはかれます。

デメリットとしてはパソコンやソフト導入等のインフラ整備コストの負担の問題やピーク時に処理が集中した時に反応が悪くなり待機時間が長くなる点などがあります。

実は電子申告が普及するとサラリーマンが毎年、おこなっている年末調整という制度が無くなる予定です。つまりサラリーマンは全員、確定申告を行うことになります。

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