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介護保険法の解釈・運用の温度差(4ページ目)

介護保険制度は国が定めた制度。しかし、その法解釈、運用は、地域の実情に合わせられるよう、住民に近い立場にある保険者に委ねられているって知っていましたか? これについてのご意見も募集します。

執筆者:宮下 公美子

ケアマネジャーの月1回モニタリング

記事のテーマからは外れますが、冒頭で紹介した、ケアマネジャ-の代理モニタリングについて、みなさんはどう思いますか? 

モニタリングとは、介護サービスが、ケアマネジャーが立てた計画通り提供され、それにより利用者の自立支援や生活の安寧につながっているかどうか、利用者の心身の状況を含めてを確認することだと思います。私は、「継続的にモニターする=モニタリング」だと思っていましたから、モニタリングに行くのは、当然、担当ケアマネジャー。担当以外のケアマネジャーがモニタリングに行くことは想定していませんでした。ですから、2回に1回程度、担当以外のケアマネジャーが行く事業所があると聞いて驚きました。

もちろん、急病で代理、というのはやむをえないと思いますし、そもそも、すべてのケース、月1回モニタリングに行かなくてはならない、ということ自体がおかしいと思っています。むしろ、原則として担当ケアマネジャーがモニタリングに行くことを規定して、回数は必要に応じて、とするほうが理にかなっている気がします。

しかし、保険者Aでは、過去、減算覚悟でまったくモニタリングに行かない事業所があったそうです。さすがに、改善指導したそうですが。こういう事業所があるから、こんなヘンな規定が作られてしまうのかもしれませんね。

ちなみに、2回に1回程度、担当以外のケアマネジャーがモニタリングに行っている場合、保険者Bは「それは減算云々の問題ではなく、『担当していると言えるのか』というケース」、保険者Dは「実地検査でそれがわかったら、当然、減算になる」とのことでした。どの保険者も「モニタリングは担当ケアマネジャーが行くのが原則」という見解でした。

あるケアマネジャーはモニタリングについて、以下のような意見を聞かせてくれました。

「モニタリングは『ケアマネジメント』の中でも、とても重要な役割を担っており、減算云々ではなく、専門職としてのケアマネジャーの業務を遂行する際のプロセスとしてとして行わなければいけないもの・・・と捉えています。一方で、月に一回、モニタリングに行く・行かないということが、減算に反映される事も問題だと思います。行政に言われるまでもなく、まして行く時期まで決められるというのは、大きなお世話。適切な時期は自分で判断しますし、専門的な研修を受けてきている我々にとってはかなり、屈辱的なことです。しかし、『忙しいから訪問しない』というようなケアマネジャーも存在するのは、悲しい事ですね」

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