大阪グルメ/大阪の和食

一汁二菜 うえの 箕面店(2ページ目)

一日三組限定の料亭「一汁二菜 うえの」。谷崎潤一郎が生きていたら、きっと贔屓にして小説の舞台にしていたかもしれない、そんな風に思わせる和の名店です。

執筆者:麻生 玲央


鮮やかに彩られた八寸

・先付
先付け。
聖護院大根の鶏味噌かけ、小松菜とアシアカ海老
一品目は、聖護院大根の鶏味噌かけ、小松菜に、アシアカ海老と、柚子の効いた熱々のお出汁が、重なり合い、凛とする味わいを醸し出す一品。寒い季節に温かい先付はほっとします。

・お造り
お造り。
「つばす」と「鯛」のお造り
訪問した日が晩秋の季節ということで、季節銀杏の葉を模った器で供されました。造りは「つばす」と「鯛」で、脂の乗り具合も最適。

・八寸
八寸。
晩秋の八寸
八寸は、大きな黒い塗りの台に名残の紅葉が散りばめられてドーンと登場。一幅の絵のような鮮やかな盛り付けに思わず声が上がります。

まず、「雪囲い」の中には豆乳豆腐(豆乳入りのごま豆腐)とイクラのみぞれ和え、銀杏の小皿の上には「甲州焼き」(鴨のミンチと干しブドウ入り)、「八つ橋」の上には鯖寿司、長芋のしんじょの海老巻き、子持ち昆布、紫花豆、むかご、クワイの揚げ物と、ひとつひとつ丁寧に味付けられた料理が、少しずつ綺羅星のように並ぶ様はまさに絵になります。

・揚物
揚物。
軽やかに揚げられた素材達。
「うえの」では、てんぷらにも季節感を盛り込むべく変化と工夫が凝らされていますが、本日はわかさぎ、群馬県の下仁田葱、ホタテの大葉包み揚げ、牡蠣の海苔包み揚げの4種類。限りなく薄く付けられた衣は実にカラッと揚がっています。これをありきたりの天つゆではなく、ポン酢と塩のいずれか好みでいただきます。

次ページでは、椀物や〆の炊き込み御飯などを御紹介します
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