大阪グルメ/大阪のフレンチ

ル・コントワール・ド・ブノワ

2008年10月3日、アラン・デュカスが大阪進出! 「大阪のテロワール」をコンセプトにした料理や内装をご紹介します!

執筆者:麻生 玲央

大阪テロワールをコンセプトにしたビストロが誕生

ブリーゼタワー。 ブリCH。
ブリーゼタワーの設計はクリストフ・インゲンホーフェン氏 ブリーゼブリーゼのマスコットキャラクター「ブリCH」。

注)「ル・コントワール・ド・ブノワ」は2014年10月に閉店しました。この記事は2008年当時に発信された過去記事となります。

ザ・リッツ・カールトン大阪を始めとして、超高層ビルが林立する西梅田のオオサカ・ガーデンシティ。このすぐ南側に接する旧サンケイビル跡地に、西梅田高層ビル群の総仕上げともいうべき33階建てのインテリジェントビル「ブリーゼタワー」がこの秋、遂に完成しました。

そのブリーゼタワーの商業ゾーン「ブリーゼブリーゼ」の最上階のレストランフロアに、どんな店が入居するのか、皆期待に胸膨らませていたわけですが、大阪にはこれまでなかったビストロの誕生と相成ったのです。

その名も「ル・コントワール・ド・ブノワ」。あのミシュランで計14の星を獲得中のフランスが誇るビッグボス、アラン・デュカス氏が、新しいコンセプトで彼ならではのビストロを、この大阪という地を選んで作ってくれたのです。

コントワールとダイニング

内装。
店名にもなっている「ル・コントワール」。
店内構造は、右手にバー、左手に店名にもなっている「ル・コントワール(カウンター)」があり、この円形カウンター席がある通路を通り抜けると、パッと視界が広がるのがメインダイニング(テーブル席)です。

厨房。
厨房の様子。(C)Le Comptoir de Benoit
このコントワールの後ろには、厨房が拡がっていて、まるで日本の「割烹」のよう。こういう演出は面白いですね。

内装。
カール・ハンセンのオーク材を用いたテーブルや椅子が印象的な店内。
ダイニングのほうは、運良く天井から床までガラス張りの窓際テーブルに陣取ることが出来れば、目の前に広がるのは北梅田の高層ビル群。

ル・コントワール・ド・ブノワ。
素晴らしい眺望が広がっています。
その向こうに淀川がゆったりと流れ、そのまた向こうには飛行機が次々と離着陸する伊丹空港、そして、その遥か彼方の六甲山系まで遮る物がありません! 何というか、まさに鳥になって空を飛んでいるような開放感。ビストロで、こんな眺望を独り占めできるところは、日本中でここだけではないでしょうか。

和と仏がミックスしたインテリア

ミラーエッチング。 抽象画。
鏡張りのパーテーションには、ミラーエッチングが施されています。 店内を飾る絵画達(C)Le Comptoir de Benoit
インテリアに目を向けると、どこか和風な格子天井や照明、日本人イラストレーターの躍動感あるミラーエッチングが施されている鏡張りのパーテーション、京都の織物メーカーによる赤い織物が目を引くソファシートなど、フレンチテイストに拘らないユニークな意匠が随所に取り入れられていて、大阪にふさわしく、堅苦しさを感じさせないコンテンポラリーなインテリアとなっています。

カトラリー。 カップ。
エレガントなカトラリー達(C)Le Comptoir de Benoit ピリヴィ社デザインの赤い肉厚のコーヒーカップ
また、ワイン用の大きなバロン・グラスや、ピリヴィ社の1903年デザインの赤い肉厚のコーヒーカップなど、本場のビストロならではの伝統的アイテムは、全てグループ・アラン・デュカスの特注品。

さらにテーブルの上で上質さを醸し出すオピネルのナイフや、フィリップ・スタルクがデザインしたアレッシーのタルト・サーバー、アトリエ・ロマン・ベルネックスの2人のアーティストによる陶器のエッグ・ラック等、随所にフランス(ビストロ)のエスプリが感じられる仕様となっています。

食文化の融合が生み出すモノ

エスカルゴのバター焼き。 地鶏のグリル。
「エスカルゴのバター焼き」(C)Le Comptoir de Benoit 関西産の鶏を使った「地鶏のグリル」(C)Le Comptoir de Benoit
「ル・コントワール・ド・ブノワ」では、フランスのブノワを、そのまんま持ってくるのではなく、アラン・デュカスがフランスで培ってきた食文化と、関西が培ってきた食文化の融合によって、作り上げられました。フランスの伝統を重んじながらも、関西の食材を積極的に使い、お店のコンセプトを「大阪のテロワール」と掲げたこと、それは、アラン・デュカスの関西に対する最大の敬意の表れのようにもみえます。

さらに、「ル・コントワール・ド・ブノワ」がビストロだという点も、大阪で受ける要素の一つ。高級グランメゾンでスノッブを効かせた店舗経営ではなく、ビストロという値段的にも親しみやすい大衆向けのスタイルは、値段(コストパフォーマンス)にうるさい大阪人の要望にもベスト・フィット。

アラン・デュカスのプロデュース、33階からの眺望、グランメゾン級のスペックでありながらも、ランチ2,600円~、ディナー5,700円~というリーズナブルさは、「安くて旨い店」がとりわけ好きな大阪人にとって、ハレの日に行く一軒ではなく、「普段使い」できる一軒として、最高の魅力と言えるでしょう。

次ページでは、シェフやワインについて御紹介します
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