ジョギング・マラソン/東京マラソン徹底解説&レポート

東京マラソン 失敗のペース、成功のペース(3ページ目)

厳しい天候の中で行われた東京マラソン2007。悪いレースコンディション下でも、自己記録を更新した参加者もいます。何が彼らの明暗を分けたのか? 4人の市民ランナーと上位入賞者のペースから探りました。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

トップ選手のペース配分はイーブン

最後までイーブンペース。さすがのジェンガ選手
最後までペースに乱れなし。悪天候も問題にせずゴールテープを切ったダニエル・ジェンガ選手
ペース配分のお手本として男子優勝のダニエル・ジェンガ選手(ヤクルト)と女子で3位の田中光選手のラップを見てみましょう。

田中さんは、各地の大会で上位入賞を果たしているベテラン市民ランナーです。女子は優勝した若手のホープ新谷仁美選手に加えて、谷川真理、有森裕子、石川(旧姓片岡)純子、市橋有里選手という今はトップとはいえないまでも、まだまだ走り続けているそうそうたる出場者が揃っていましたから、その中での3位はすばらしいことです。

■ダニエル・ジェンガ選手
地点名 スプリット ラップ 所要時間比率
5km 0:15:05 0:15:05 11.62%
10km 0:30:18 0:15:13 11.73%
15km 0:45:49 0:15:31 11.96%
20Km 1:01:21 0:15:32 11.97%
25Km 1:17:13 0:15:52 12.23%
30Km 1:32:04 0:14:51 11.45%
35km 1:47:11 0:15:07 11.65%
40km 2:02:43 0:15:32 11.97%
Finish 2:09:45 0:07:02 5.42%

最速最遅比 1.03倍。もうお見事と言うしかないですね。一番遅かったのは、銀座通りを風上に向かって北上していった部分だけ。下り坂のある最初の5kmはわずかに速いですが、25~30kmより遅いんです。25kmぐらいまでは力を蓄えたペース配分をしていることがわかります。

■田中光選手
地点名 スプリット ラップ 所要時間比率
5km 0:20:29 0:19:41 11.58%
10km 0:40:09 0:19:40 11.57%
15km 1:00:19 0:20:10 11.86%
20Km 1:20:12 0:19:53 11.69%
25Km 1:40:22 0:20:10 11.86%
30Km 2:00:54 0:20:32 12.07%
35km 2:21:16 0:20:22 11.98%
40km 2:41:14 0:19:58 11.74%
Finish 2:50:03 0:08:49 5.18%
最速最遅比 1.04倍。こちらもお見事です。30kmのあたりでやや落ちてますが、その後次第に上がっています。

このようなイーブンを保つペース配分は、トップ選手だからできることと考えるより、トップ選手でさえこのように前半は抑えて走っているんだと考えましょう。

自分の想定ゴールタイムに、各区間の所要時間比率を掛ければあなたの5kmの設定ラップタイムが出ます。あなたはジェンガ選手型で行きますか、それとも前ページに紹介したB・TさんC・Uさん型で行きますか?本番レースでのペースの作り方については「わかる!結果を出すためのペース作り」をご覧ください。詳しく説明しています。



<関連リンク>
東京マラソン2007 大会記録
わかる!結果を出すためのペース作り
マラソンペース配分と100m走との共通性
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