退職金の確定申告が不要とは!?
年の途中で退職し再就職をしなかった給与所得者の場合、確定申告をすると給与から源泉徴収されていた所得税が還付される可能性があることは広く知られています。では退職金にかかる税金の場合はどうでしょうか?
退職金は分離課税です。一般に退職金を受け取る時点で「退職所得の受給に関する申告書」を提出し、それをもとに退職金に対する所得税と住民税が計算されて源泉徴収されます。これで税金関係は終了しますので確定申告は不要となります。
しかし「不要」ということは「所得税は頂いているので確定申告しなくてもいいですよ」ということであり、「してはいけません」ではありません。確定申告することで退職金から源泉徴収された所得税が還付されるケースもあるのです。その仕組みをみてみましょう。
退職金は退職所得控除で税金軽減効果大!
納める所得税はどのくらいになるのかな、心配だな……
分離課税の退職金にかかる所得税は、
「(退職金-退職所得控除)×0.5×所得税率」で計算します。またこのうち退職所得控除額は下記の通りです。
■退職所得控除額
- 20年以下の場合 : 40万円×勤続年数(80万円未満の場合は80万円とする)
- 20年超えの場合 : 800万円+70万円×(勤続年数-20)
例えば、60歳で退職(勤続38年)する人が退職金2300万円を受け取る場合、所得税はいくらになるでしょうか。
- 退職所得控除=800万円+70万円×(38年-20年)=2060万円
- 退職所得=(2300万円-2060万円)×0.5=120万円
- 退職金に課税される所得税=120万円×5%=6万円
※課税される所得金額195万円以下の場合、所得税率5%
退職所得控除額はなんと2060万円。この税金軽減効果により所得税は6万円ですむのです。 退職金から控除する「退職所得控除」は、あたかも「退職金=慰労金」と考えているかのように、とてもすごい高額の控除ですね。
しかし、所得税6万円くらいならいいか、と納得しないで下さい。確定申告することでこの退職金から源泉徴収された所得税が還付される可能性があるのですから(なお住民税については、退職所得からの天引き(特別徴収)によって課税が完結することになっていますので、残念ながら還付はありません)。
退職した年の所得総額や退職後に支払った国民年金保険料・任意継続被保険者保険料(あるいは国民健康保険料)・介護保険料などの社会保険料、生命・地震保険料控除など様々な所得控除により、確定申告することで退職金から源泉徴収された所得税が還付される可能性があります。
>>退職金から源泉徴収された所得税がいくら戻ってくるのか実際に計算をしてみましょう