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経済入門 早わかり財政-1 財政の仕組み-予算と国債-(2ページ目)

第1回は、日本の財政の仕組みの解説です。財政の仕組みは非常に複雑で、多岐にわたりますが、ここでは、国家予算と国債(建設国債・赤字国債)についての基礎知識の一部をご紹介します。

執筆者:石川 秀樹

国債って?

国債とは、国の発行する債券です。では、債券はというと、国や企業が資金調達の際に発行する有価証券なのですが、要するに、借金するときに発行する借用証書みたいなものです。ですから、債券の発行というと格好よいのですが、要は借金をするということです。また、債券の場合には、借金を返済することを償還するといいます。ですから、返済日は償還日と呼びます。

また、国債には、建設国債と赤字国債の2種類があります。

建設国債とは、主に公共工事に使われるために発行される国債で、赤字国債とは、財政赤字を補填するために発行される国債です。

国家財政の基本を定めた財政法では、第4条において、公共工事などに充当する場合にのみ国債を発行できるとし、建設国債しか認めていません。ですから、財政法上は、赤字国債は発行できません。これは、建設国債は、公共工事など将来にメリットを残すので国債発行(=借金)という形で将来に負担がかかっても容認できるが、財政赤字を補填する赤字国債は、将来にはメリットを残さないのに国債の償還(=返済)という負担だけを負わせるので認めない、という姿勢です。

このような財政法の規定にもかかわらず、例年、赤字国債が発行されています。なぜ、そのようなことができるかというと、毎年、財政法では認められていないのだけれども、今年は特例として赤字国債を発行するという法律(特例法)を作っているのです。ですから、赤字国債を特例国債と呼ぶこともあるのです。

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