お金のプロと人気店シェフがアドバイス!成功を引き寄せる「開業コストの考え方」

開業を考えるなら、開業資金などお金の問題はとても気になるポイント。でも、やみくもにコストを抑えると物件探しや仕入れ先が制約される可能性も……。そこで注目したいのが、「URテナント」のように初期費用が抑えられる物件です。開業支援にも詳しいお金の専門家の今村仁さんと、行列ができるほど人気なパン屋のシェフ佐藤崇裕さんに、お店の成功に結びつく開業コストの考え方をアドバイスしていただきました。

提供:UR都市機構

お話をうかがった方

今村 仁

「中小企業・個人事業主の節税対策」ガイド:今村 仁

経営学部卒業後、会計事務所2社での勤務を経て、ソニー株式会社に入社する。独立後、2003年に今村仁税理士事務所を開業。2007年マネーコンシェルジュ税理士法人に改組し、代表社員に就任。中小企業の節税専門家として執筆・メディア出演多数。税理士、宅地建物取引士、CFP。「会社設立5年 お金にまつわる解決一切」など多数執筆。起業に役立つ公的制度など、独立支援についても詳しい。

お話をうかがった方

佐藤 崇裕

Pain et Sucre シェフ:佐藤 崇裕

20代にフランスで修行中に出会ったパンやお菓子、料理に衝撃を受け、「フランスの食」を理想にパン職人を目指す。都内ベーカリーで勤務後、品川区にあるPain aux fous(パン オ フゥ)の2代目シェフも経験。退職後、千葉県で長年続く家業の佐藤ベーカリーを手伝いながら、2020年より「Pain et Sucre(パン エ シュクレ)」として、パン・お菓子などをイベントや百貨店で販売し話題となる。2022年10月、コンフォール柏豊四季台(千葉県柏市)の商店街内に初の実店舗をオープン。

開業準備中から考えておきたい「続けるためのお金」のこと

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まずは開業資金で備えておきたい余裕について、お金の専門家である今村さんに教えていただきました。

今村さん(以下敬称略)「開業前に初期費用として、まとまったお金が必要なのはご存じの通り。ただ、開業しても数カ月は経営が安定せず、収入が途絶えることがあるかもしれません。そうしたときも安心なよう、最低でも初期費用プラス2~3カ月分の運転資金と生活費の準備をおすすめします。従業員が増えれば給与や社会保険料などの支払いも増えますし、材料費などの物価は今後も値上がり傾向ですから、余裕を持って考えた方がよいでしょう」

例えば、パンなど食品の製造・販売を行う店舗の開業準備で、必要な資金の主な例として今村さんがあげたのは以下の通りです。

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こうした開業準備の資金は自己資金でまかなうのが理想とはいえ、開業にはタイミングも大切。必要に応じて、日本政策金融公庫などの創業支援の融資制度も検討しましょう。各地の商工会議所なども創業支援融資を行っています。

今村「金融機関から融資を受けるには事業計画書を提出する必要がありますが、創業支援に力を入れる金融機関や商工会・商工会議所なら、事業計画の考え方や計画書の書き方の相談に乗ってくれます。地域のビジネスネットワークとのつながりもできますし、一度相談してみるといいでしょう」

また、礼金や仲介手数料が不要な物件を利用すれば、賃貸借の初期費用を抑えることも可能です。ただ、いきなり店を構えるのは大きなリスクがあると考える方もいます。今村さんも「最初から無理に実店舗で営業する必要はありません」と選択肢を教えます。

今村「まずは食に関するイベントへの参加、移動販売、お客さんへのデリバリーなどで、あまりコストをかけずに収入を得ながら、市場のニーズを探ったり商品のレベルアップを図ったりするのもいいでしょう。その上で実店舗を持つとお客さまからの信頼感が高まり、固定客もつきやすくなると思います」

実際に、イベントや催事への参加などを足がかりとして、2022年10月に「Pain et Sucre(パン エ シュクレ)」をオープンさせたのが、オーナーシェフの佐藤崇裕さんです。

イベントや催事への出店でマーケティングとPRを兼ねてから実店舗へ

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佐藤さんは、都内の有名ベーカリーで2代目シェフを務め、ニュージーランド産グラスフェッドバターを使ったコンクール「フォンテラグランプリ2020」のブレッド部門で最優秀賞を獲得するなど十分な実績があります。それでも、独立後まずは実家のパン屋を手伝いながら、地域のイベントに参加して手作りのパンやお菓子を販売してみたんだそう。それがきっかけで、口コミやSNSで人気が高まる中、有名百貨店から誘いを受けてデパ地下に期間限定のショップを出店する運びに!

佐藤さん(以下敬称略)「イベントでの出張販売や百貨店への出店は、商品数が限られるのが悩みですが、その分、自己紹介になるようにと自信作を厳選して販売しました。売り上げは開業資金の一部にでき、出店によりSNSで私をフォローしてくださる方が増えて、実店舗のオープンに向けて励みになりました」

開業資金がある程度貯まり、足りない分は公的金融機関の融資でまかなう前提で、2022年の年初から物件を探し始めたという佐藤さん。実家の近くに大きな団地があったこと、フランスでの修業で古さと新しさのミックスによさを感じたことなどから、「昔ながらの団地の中やその近くで、新しくパン屋を始めるのもいいな」と思っていたんだそう。

「一般的にお店をオープンするときは、多くの人が立ち寄りやすい立地、例えば駅前や繁華街などで始めることが考えられます」と今村さんは立地について解説します。

今村「一方で駅から離れた場所や住宅街のように、わざわざ足を運ぶ必要がある立地であっても、商品力や知名度があれば店が繁盛する傾向が見られます。近年は生活者の地元志向もあり、多くの人が住む場所の近くに出店して成功する可能性は十分あるでしょう」

なかでも、パンなど日常的に食べる食品店や飲食店は、週に何度も来店するような固定客を増やすことが、店舗の経営を安定させる第一歩。

今村「その意味でも、団地の一角など人が多く住むエリアに出店するのは理にかなっています。おいしいパン屋なら団地やその近くに住む人も歓迎するでしょうし、店舗も団地もWin-Winの関係になれると思いますね」

そうした「見込み客が近くにいる環境で開業したい」「開業コストを賢く抑えたい」人に向いているのが、全国で約71万の賃貸物件を管理するURが提供する「URテナント」です。

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団地の商店街にオープンした「Pain et Sucre」は行列が絶えないほどの人気

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ひっきりなしに訪れるお客さまにスタッフが丁寧に対応。店内の雰囲気は明るく、何度でも来たくなります


行列が絶えない人気店シェフが語る「団地の商店街」に出店する魅力

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URの団地の落ち着いた雰囲気が魅力と話す「Pain et Sucre」オーナーシェフの佐藤崇裕さん

佐藤さんは、インターネットで店舗となる物件を探しているとき、偶然URテナントを知り、自分のイメージにぴったりの物件「コンフォール柏豊四季台(千葉県柏市)」を見つけました。この団地はJRと私鉄が乗り入れる柏駅が最寄りで、人口増で有名な流山おおたかの森駅周辺から電車や車でのアクセスも便利な立地です。

佐藤「団地の中に商店街やスーパーがあるから近くの人が集まりやすく、しかも広い駐車場が目の前に広がる好条件。イベントや百貨店への出店で知ってくださった方は、少し離れた場所からも来店されると考えていたので、お客さま用の駐車場があったのは非常に助かりました。実際、オープンしてから集客の面での苦労はあまり感じていません。ファミリー層から高齢の方など客層も幅広く、団地にお住まいの方もよく来店されています

しかも、URの団地内は緑豊か。車の通る場所と歩く場所がわかれているので、子どもと一緒でも安心して来店できる環境です。「こちらも安心してお店を出せますね。建て替えがゆっくりと進行中で、古さの中に新しさが生まれているのも魅力でした」と佐藤さんは団地の雰囲気をとても気に入っているんだそう。

「Pain et Sucre」の店内はブルーを基調に、見やすく商品を並べたシンプルな造り。パンをすぐ近くで見ながら選ぶことができます。パリにあるお店のような雑多な感じの店内も検討したものの、いろいろな年代のお客さまが来ることを考えて、シンプルな内装にしたんだそう。URテナントの物件は室内の内装がないスケルトンでの引き渡しになるため、居抜きよりコストは必要ですが、自分のイメージ通りに仕上げられる点はメリットでしょう。

佐藤同じ商店街の精肉店からハムやメンチカツを仕入れてサンドイッチにしたり、青果店に果物や野菜をお願いしたりと、周囲から助けていただけるのもありがたいですね。こうしたお店同士の交流も、団地の商店街に出店するメリットだと思います

集客面や環境面のメリットも大きい「URテナント」とは?>>

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店内にはフランスの伝統的なパンのほか、季節の果物や日本の食材を生かしたパンなどが並びます

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1964年に誕生した4,666戸の大規模団地。2004年からはコンフォール柏豊四季台への建て替えが進んでいます


さらに「URテナント」なら開業コストを賢く抑えた出店が可能

URテナントは、初期費用が大幅に抑えられるのもメリット。一般的に店舗の賃貸借契約を交わす際、敷金または保証金、礼金、仲介手数料、前払い賃貸料などをまとめて払うことになります。しかし、URテナントでは礼金、仲介手数料が不要で、何かと出費が多い開業前の時期にうれしいサポートといえるでしょう。

加えて、URテナントは保証人も不要※1(保証金は必要)なので、親族や友人を訪ねて「お店を出すから保証人になってほしい」と頼む必要がなく、開業前に余計なストレスを感じなくて済みます。また賃貸借契約を交わしても、内装等工事開始前なら最大3カ月間は賃貸料も無料です。

今村これから開業する人にとって、初期費用が抑えられ、保証人を探す手間も省けるメリットは大きいと思います。また、内装工事が少し先でも、人気の物件だから契約だけ先に済ませるといったときも、最大3カ月間の賃貸料が無料なら安心でしょう」

実際に出店した佐藤さんも「初期費用はもちろんですが、更新料もないのでランニングコスト面でも大満足」とのこと。

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このほかURテナントの中には、これから開業する人を支援する「チャレンジスペース」を利用できる物件もあります。「チャレンジスペース」は、内装等工事開始後も最大12カ月または最大6カ月は賃貸料無料で利用できるなどの優遇措置で、内装等工事開始前と合わせて最大15カ月または最大9カ月の賃貸料が無料※2になります※3。しかも内装工事が終わって開業しても、当初の無料期間に含まれている間は賃貸料が無料です。

今村「マーケティングの目線でいうと、団地の中での開業は非常にニッチなポジション。これからの成長にも期待が持てると思いますから、起業を目指す方にチャレンジしてほしいですね

初期費用を抑えて成功を引き寄せる「URテナント」のうれしい制度>>

※1 URの申込み資格を有する場合
※2 毎月の共益費は必要です
※3 申込業種の経営経験が5年未満などの諸条件はURのホームページで確認を

来店しやすいゆとりある環境で営業できる「URテナント」

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URの団地には公園が多く、緑が豊かでゆとりある環境です

紹介したパン屋のように、身近な食品の販売や飲食店のような頻繁に来店する固定客をターゲットにする業種は、人通りが多い駅前・繁華街、生活に密着した団地などに店舗を持つことが基本といえます。

特にコロナ禍を経て地元志向が強まる中では、「団地の中の商店街」という住む人のすぐ近くで営業できるURテナントは有力な選択肢でしょう。しかも多様な店舗が並ぶ商店街なら、ほかの店舗に来た方の買い回りにも期待できます。

また、URの団地は緑が豊かで、建物が一定の間隔で建てられたゆとりある環境も特徴。団地内は歩車分離で、小さな子どもから高齢の方まで安心して買い物ができます。しかもコンフォール柏豊四季台のように昔の団地を建て替えたり、部屋をリノベーションしたりして住みやすい団地づくりを行ってきたことで、URの団地は子育て世代や若い世代にも人気となっています。

佐藤団地に何となくマイナスイメージを持っている人も、一度現地を見たら考えが変わるのでは。URの団地は親子でのんびりと散歩ができる落ち着いた雰囲気だから、安心して来店していただける環境だと思います

団地や近くに住む人にとって身近な店舗だけに親しみが生まれ、交流が深まるのもURテナントの魅力の一つ。また地域活性化を進めるURに協力して、地域に貢献することも可能です。現在は全国約450団地に約4,000の貸店舗物件があり、立地は駅近くから郊外の物件までさまざま。将来的に自分で店を持ちたいと考えている人も、どんな物件があるのかを探すことで開業後のイメージが具体的になるのでは。まずは物件をチェックしてみましょう。