こばやし ひとし
環境と健康に関係する最新のトピックスを届ける環境コーディネーター
大阪大学でミネラルとマテリアルについて研究した後、素材メーカーに勤務。14年の環境の実践と知識をもとに、健康と環境の「なぜ」「どうして」について、ウェブサイト「役立つ健康情報/環境問題のリスコミ」で、情報発信している。また、生物、細胞、健康をキーワードに、幅広いジャンルで活躍中。
なぜネコは生イカを食べると腰を抜かすのか
「ネコが生イカを食べたら腰ぬかす」という言い伝えを聞いたことがありますか?これを掘り下げていくと、人間に共通する大切な情報にたどり着くことができます。ネコは生イカを食べることで体のビタミンB1が急激に分解され、足が立たない状態になる……。すなわちブドウ糖の分解速度が遅くなり、細胞のエネルギー発生が遅くなるのです。
美味しいだけじゃない、スイカの驚くべき効能
夏の果物といえばスイカ。さっぱりおいしい味のほか、体への効果は喉をうるおす程度かと思いきや、実はびっくりするほどの効能を兼ね備える果物だったのです。あの赤色はトマトと同じリコピンだし、血管を拡げて血行を良くする働きがあるアミノ酸(シトルリン)も多く含んでいます。
鏡の国のレモンはオレンジの味がする?
レモンとオレンジ、同じ柑橘類の仲間ですが味や香りは全く違います。香り成分のおもしろいところは、光学異性体(鏡を写したように左右逆の構造が違う分子)で、香りの感じ方が違うということです。レモンの香りがするのは、S(左旋廻)-リモネンで、オレンジの香りはR(右旋廻)-リモネンです。鏡の世界では、レモンはオレンジの香りがするという訳です。
適度な「脂肪細胞」が生活習慣病を改善する?
「脂肪細胞」というと悪者の代名詞のように受け取られていました。しかしこの細胞から分泌されるアディポネクチンは糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化の改善効果が認められています。アディポネクチンは、太り過ぎ・痩せ過ぎでも正常に分泌されません。人には、健康長寿のための最適な体脂肪量が存在するのかもしれません。
「にが味」で病気が分かる?味覚は健康のバロメーター
「甘味」、「塩味」、「うま味」は人間に必要な栄養素であることを知らせるシグナルですが、「にが味」は、多くの毒物が苦いことから食べてはいけない有害物のシグナルとして機能し、甘みや塩味と比べて約千倍も感じやすくなっています。ウイルスや細菌感染などで細胞が不調になった時に産出されるTNFというタンパク質が原因で、にが味が増幅されることが分かりました。
女の子の学力は、世界的に見ても男子より高い!?
ミズーリ大学とグラスゴー大学の研究者らが、15歳の生徒の学力を調査するOECDの国際学習到達度調査(PISA)のデータから、女子の学業成績はテストが実施された70%の国々において男子をリードしていると報告されました。人の行動に対して明らかに男女差が認められると、多くの心理学者や脳生理学者も考えています。
芋焼酎の香りに血栓を溶かす効果がある?
芋焼酎には沈丁花やラベンダー、ベルガモットなどの香り成分として有名な「リナロール」と、バラやコーヒーの香り成分である「ダマセノン」が、香り成分として含まれ、サツマイモの品種の違いで香りも違います。この香りには、脳梗塞の原因となる血栓を分解する効果も期待されているそうです。
カゼウイルスとiPS細胞の意外な関わり
カゼの原因となるカゼウイルスが症状を起こすメカニズムは、遺伝子組み換えとも関係するものです。分かりやすくメカニズムを理解することで自分自身のカゼ対策に役立ち、またiPS細胞とのつながりも良く分かります。
マウスの細胞を60歳から20歳に変えた「若返り物質」
ハーバード大学らのチームはNMNという物質をを生後2歳マウス(ヒト換算では60歳)の細胞に注入したところ、生後6ヶ月(ヒト換算では20歳)の時点まで若返らせることに成功しました。このNMNとはどういう物質か、またヒトの若返りの可能性について、老化プロセスと糖尿病の最新研究をレポートします。
水分不足が知的作業を遅らせる? 水に関する最新研究
「水」はふだん身の回りにあって、生きるためには必須のものですが、意外とその構造や効果について良く分かっていません。水の構造を最新の機器で分析した結果と、水を飲むことで脳が活性化されるという最新研究をレポートします。
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