クレジットカードは便利なものですが、枚数を持ちすぎると面倒に巻き込まれることがあります。クレジットカードの発行枚数は現在、2億3000万枚以上で、国民一人あたり2枚以上持つ計算ですが、当然、赤ん坊や18歳未満の若者は持てません、それに高齢者は持っていない割合が多いですから、働き盛りの成人男女に限ると5枚以上は持っている計算になります。
しかし、それらのカードをすべて使い切っているわけではないでしょう。問題はそこにあります。不要なカードを持つことは、二つのリスクを発生させるからです。
ひとつは「コスト」のリスクです。クレジットカードは年会費を払います。今は年会費を平均すると消費税を含めて1312円かかります。仮に8枚のクレジットカードを持っていたとすると、年間で1万496円の出費になります。それらのカードを毎日使い切り、十分に元を取っているなら問題はありませんが、そうしたケースはまれでしょう。ほとんどが毎年無駄に年会費を払っているはずです。今のような給料が下がる時代には、この出費は痛いですね。何とか枚数を減らして毎日使うカード2枚に絞りましょう。
余分なカードは最高のターゲット!カード犯罪に注意!
もうひとつが「カード犯罪」のリスクです。カード犯罪は今も増えつづけており、とくに偽造による被害は増大の一途をたどっています。平成13年には146億円の被害がありました。そのなかで、割合が大きいのがスキミングによる犯罪です。スキミングとは、カードの磁気情報をコピーして偽造カードを作り、それを使って買い回りをするというもので、香港などから犯罪グループが日本にやってきて荒し回っているといわれます。
カードをたくさん持っているとこうした犯罪者に付け狙われる危険性があります。5枚以上もカードをもっているとその管理が緩くなります。使わないカードをタンスの引き出しにしまったままにしたり、テーブルの上にだしたままで外出するといったことがあります。そこへ、空き巣が入り、テーブルの上のカードの磁気情報だけをコピーして去るといったことが起これば、私たちはなすすべはありません。
というのも、カード自体は盗まれたわけではないのですから、被害にあったことに気づかないからです。そして、一ヵ月後にカード会社から送られてきた利用明細書をみてびっくりします。身に覚えのない買い物をロンドンでしているのをみて、初めて自分がカード犯罪に巻き込まれたことに気づくのです。
犯罪者たちは、コピーしたカードの情報を海外の拠点に送り、そこで偽造カードを作ります。そして、そのカードをロンドンやパリといった遠く離れたところで限度額いっぱいを使って発覚を遅らせます。こうしたことがありますから、使わないカードを持っているのは危険なことなのです。ですから、一刻も早く手持ちのカードを整理して2枚に絞りましょう。カードのリストラが必要なときです。
いざ、カードリストラ!4つのポイントはココ!
では最後に、いらないカードをリストラする4ステップをご紹介しましょう。
1.まず一番重要なのは義理カードを解約すること。友人や親類に、作ってくれと頼まれたカード、ほとんどいかない店なのに、キャンペーンで勧誘されてついつい作ってしまったカードなどは、さっさと解約しましょう。また、タンスの奥にしまってあるスリーピングカードなども解約の対象になります。
2.ステップ2としては、コストパフォーマンスを考えます。年会費分のもとがとれていないカードはさっさと解約です。
3.ステップ3はVISAとマスターのバランスです。リストラで残したカードが全部VISAや、全部マスターだったら外国に行ったときにちょっと不安です。できれば、VISA、マスター、JCBをバランスよく持ちましょう。
4.そして最後に2枚にしぼるか、全部解約して最高の2枚を選びなおしましょう。
<関連サイト>
カード犯罪・スキミングを防ぐ
カード盗難・紛失に関する連絡先一覧