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銀行の退職者向け金融商品とは?(2ページ目)

退職金として、まとまったお金を手にしたとき、どうしますか? 銀行の退職者向け金融商品と、利用の際の注意点をお届けします。

坂本 綾子

執筆者:坂本 綾子

預金・貯金ガイド

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セット商品は手数料に注意点

退職金

頑張って働いてきたからこそ受け取る退職金。運用は慎重に。

セット商品の場合は、投資商品の手数料を考慮する必要があります。投資信託は購入時に1.5%~3%程度の手数料がかかるものが多く、手数料には消費税も付くので、購入金額の1.575%~3.15%程度を支払うことになります。

例えば総額500万円でセット商品を利用し、投資信託部分250万円、3カ月定期250万円、投資信託の購入手数料3.15%(消費税込)、3カ月定期の金利6%なら、どうなるのでしょうか?

投資信託の購入手数料:250万円×3.15%=7万8750円
3カ月定期の手取り利息:250万円×6%×3カ月/12カ月×80%=3万円

投資信託の購入手数料の方が高くなってしまいます。投資信託の価額が全く変動しなかったとすると、3か月後の元本は4万8750円のマイナスで495万1250円に。投資信託が4万8750円以上値上がりすれば、その分は利益になります。

投資信託の購入手数料が1.575%(消費税込)なら9375円のマイナスですみますが、それでも定期預金の手取り利息よりも高くなります。

もちろん定期預金には、自動継続すれば初回預入期間が過ぎた後も通常金利で利息がつきますし、投資信託が手数料以上に値上がりすれば、お金を増やすことができます。逆に値下がりすれば、さらに元本を割り込みます。

セット商品は、定期預金の利息で、投資信託の購入手数料を一部カバーできると考えるのがよさそうです。セット商品を利用する場合は、そのお金をどれくらいの期間、投資にあてるか、品揃えの中に自分が買いたい投資信託があるか、購入時の手数料はいくらかを必ず確認することです。また、投資信託は1種類に限らず、ラインナップの中から組み合わせて利用することができますから、性格の違う投資信託を組み合わせることも検討しましょう。

外貨商品の手数料は?

退職者向け

外貨預金は、為替レートに手数料が含まれています。

銀行によっては外貨預金とのセット商品もあります。外貨預金は外貨に交換するときのレートに為替手数料が含まれています。損益分岐点は、為替手数料、外貨預金の金利、円に戻すときの為替レートにより異なります。為替レートがいくらであれば利益が出るかを、窓口で試算してもらって、あらかじめ確認しましょう。

つまり、特に投資商品とのセット商品は、投資商品の手数料や性格を把握した上で、自分で判断することが大事だということです。

このような退職者向け金融商品は都市銀行のみならず、信託銀行や地方銀行でも取り扱っています。

最後に住友信託銀行の退職金用の投信セットプランを紹介しましょう。

総額500万円以上は都市銀行と同じですが、投資信託の比率が20%以上あればよく、組み合わせる定期預金は3カ月、6カ月、1年から選ぶことができます。定期預金の金利は、3カ月が5%、6カ月が2.6%、1年が1.4%。定期預金部分の金利は低めになりますが、期間を選べること、投資信託の比率が低くてもいいので、セット商品の中では使い勝手がいいと言えます。利用できる期間も退職後2年までと長めです。(住友信託銀行は、2012年4月1日より、中央三井信託銀行、中央三井アセット信託銀行と合併し、三井住友信託銀行となる予定です)

通常よりも高い金利の定期預金を利用できるのはメリットですが、特にセット商品は慎重に。また退職金の全額ではなく、一部の運用先として検討するのがいいのではないでしょうか?
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