大事な退職金をどうする?
一度にまとまった金額を受け取ることは、一生にそう何度もありませんね。退職金は、まとまったお金を手にする貴重な機会といえます。
退職金だからこそ利用できるお得な金融商品を上手に活用したいもの。ただし、後で後悔しないためには、仕組みを知って、自分の意志で使いこなすことが大事です。
銀行の退職者向け金融商品を紹介します。
金利の高い定期預金と、セット商品の2種類
銀行の退職者向け金融商品は、現在、主に2種類あります。- 金利の高い定期預金
- 投資商品と定期預金のセット商品
金利の高い定期預金は、通常の定期預金よりも高い金利につい目を奪われます。それ以上に金利が高いのはセット商品の定期預金の金利です。参考までに都市銀行の退職者向け金融商品を表にまとめましたので、ご覧ください。
金利の高い定期預金は、銀行により1%~1.8%。通常の定期預金の金利水準は0.025%程度(1か月定期~1年定期)ですから、40倍~72倍です。投資商品とのセットの場合は、定期預金の金利はなんと6%(三菱東京UFJ銀行は、組み合わせる投資信託の種類により4%または6%)。利用できるのは退職後1年以内の人なので、もし条件に当てはまるならお得ですね。
リスクは一切取りたくないなら定期預金、投資商品の購入を検討しているならセット商品となりますが、それぞれに注意点があります。
金利が高いのは初回預入の期間のみ
定期預金も、セット商品も、高い金利がつくのは初回の預入期間のみ。通常、お金の増え方を示す利率は、1年間預けた場合を示しています。しかし3カ月定期であれば、その金利が適用されるのは3カ月分だけ。3カ月定期の場合を金利に換算すると、年利率×3カ月/12カ月となります(実際には預入期間に応じた日割り計算を行います)。
たとえば…
●1.8%なら、1.8%×3/12=0.45%
500万円預けた場合の初回預入期間の利息は、500万円×0.45%=2万2500円
20%の税金を差し引いて手取りは、2万2500円×80%=1万8000円
●6%なら、6%×3/12=1.5%
500万円預けた場合の初回預入期間の利息は、500万円×1.5%=7万5000円
20%の税金を差し引いて手取りは、7万5000円×80%=6万円
3カ月とはいえ、金利が高いほど、元本が多いほど、手取りの利息は多くなります。そして、初回満期日が過ぎると、通常金利の利息が付きます。実際の手取り利息を確認した上で、利用するかどうかを決めましょう。
次ページでは、セット商品を利用する際の重要な注意点について説明します。