異時間のお金の価値を計る
単利・複利による、お金の時間価値の計算方法を知っておきましょう |
もちろんお金の価値は異なりますよね。買える物が違うので、これは直感的にもわかります。異なる時間軸でお金の価値を比較する方法は、たとえば物価を物差しにすることも考えられます。ただし、この場合は同等の品質の物か、物差しとなる物価指数なりを選択することががたいへん難しく、選んだ物によって結果が異なることが予想されます。
資産運用の理論では、異時間のお金の価値を計る物差しには、「金利」を利用します。金利が1%なら、現在の1万円は1年後の1万100円と価値が等しいことになります。また、1年前の9,901円と等価値となります。
物差しの金利は単利と複利の2種類
ご存知のように、単利とは当初の元本だけを対象に利息をつける方法です。複利とはある計算期間に発生した利息は翌期の利息を計算する際に元本に加えられて、その合計額を対象に利息をつける方法ですので、利息がさらに利息を生んでいくわけです。お金の時間価値を計る物差しとしても、単利を使用する方法と複利を利用する方法とがあります。
現在価値とは、将来に生じている価値を、その期間の金利で割り引いたものをいいます。反対に、将来価値とは、いまあるお金をある期間、相当の金利で運用した結果、将来生ずる価値ということになります。
●単利法と複利法
単利法による現在価値と将来価値は、次の関係式となります。将来価値=現在価値×(1+年数×年利率)
FV=PV×(1+nr)
複利法による現在価値と将来価値は、次の関係式となります。
将来価値=現在価値×(1+年利率)年数乗
FV=PV×(1+r)n乗
基本はこれだけです。あとはこの基本式をベースに、現在価値PV、将来価値FV、期間n、年利率rのいずれかを求められるように変形して利用していくことになります。
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