資産運用/資産運用をするときの鉄則

ポートフォリオで殖やす!ワインと投資信託

ワインと投資信託は似ています。商品の性格を適格につかんで上手に使えば、あなたのお金をしっかり働かせることができます。ワインとファンドの共通点を5点!

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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2000年のITバブルの崩壊時に、投資信託で損をした人がけっこういます。日本では、まだ投資信託は新しい金融商品です。売り手の証券会社も、買い手の個人投資家もその使い方をよく分かっていないのです。

1924年にアメリカで作られて以来の古い歴史を持つ投資信託(以下「ファンド」と呼ぶ)には、銘柄株や債券購入とは明らかに違う使い道があります。ファンドをワインとの共通点を「例え」にしてご説明します。

ファンドはワインに似ています

写真のタイトル
ヨーロッパで生まれたワインとファンドには多くの共通点がある!

○古いワインには価値がある
○ブレンドするから飲みやすい
○ワインは目的に応じて選ぶ
○第三者が評価し、結果を公表している
○ボジョレーヌーヴォーに大騒ぎするのは日本人だけ!

古いワインには価値がある


ワインを長い間寝かせておくと、発酵が進み深い味わいがでます。同じように、古いファンドはその運用の長さだけでも十分に評価されます。

アメリカには設定来80年を経過するファンドもあります。そこまで古くなくても、30年や40年は運用実績を持つ優良ファンドはザラです。ただし、ファンドの場合は古いから良いというよりも、生き残ってきたファンドだから「良い」と言い換えるべきでしょう。

ブレンドするから飲みやすい


ブドウの味や成分は木ごとに、畑ごとに微妙に異なります。樽ごとにも違います。そうした、品質のバラツキを直すのがブレンドです。

ファンドも、企業ごとのクセや偏りを消すために、いろいろな会社を組み合わせることによって、ファンドの個性を発揮します。たとえば、市場平均を上回る収益を上げようとする「アグレッシブ・ファンド」や信用格付けの低い会社や国に手を出さない「高格付けファンド」などです。

ワインは目的に応じて選ぶ


牛肉料理に赤ワインが合うように、魚介類に白ワインが合うように、あるいはオデンに甲州ワインが合うように、ワインは料理との相性があります。最適の組合せによって格別の味わいがでるので、ワインは人気があります。

ファンドはたくさんあります(国内の公募ファンドで3,000本)が、自分の投資目的に合わせた選び方をしなければ、おいしくありません。

ファンドの個性は、投資家の投資目的やポリシーに合致することで、本当の威力を発揮するのです。たとえば、10年後の子どもの教育資金のために高格付けの債券ファンド(低リスク)を利用したり、リタイアした人がBRIC's関連の株式投信(高リスク)を利用するなどは、うまいファンドの使い方とはいえません。(なぜ?という疑問に応える解説記事は、また別の機会にご披露します)

ワインの個性はファンドの個性と似ています。さて、次のページでは、その個性をどのように判断したらいいかをご案内します。
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