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第2歩は、それら3つの資産(アセット)の中で、内部的な分散(アセットクラスの分散)を組むことです。
オルターナテイブ投資はさらなる分散
3本の矢は折れないと兄弟の団結を説いたのは毛利元就の父だが、西洋人は一つのカゴにすべての卵を盛るな!と資産保全のために分散を説いた! |
伝統的な投資対象に追加されるものとして、第4の資産(アセット)を総称してオルターナテイブと呼ぶようになりました。つまり、不動産、株、債券の3種類のアセットとは違う値動きをする新世代の資産グループを意味しています。
どんな資産があるかというと・・・
○ヘッジファンド
○資源や商品相場
○プライベート・エクイテイー
ヘッジファンドって何だ?
金融工学を駆使して、相場環境に左右されない絶対的な収益を作り出そうとするファンドをヘッジファンドといいます。従来の投資は、市場指標のベンチマークと比較する相対的収益で評価されていました。しかし、ヘッジファンドのマネージャーは、どのような運用環境でも収益を上げることが求められます。これでも抽象的な定義であって、具体的には何のことだか分かりませんね。今では、ヘッジファンドが多様化して、ひと言ではとても説明できなくなっています。
ヘッジファンドには次のような種類があります。
●ロング、ショートのポジションを持って市場リスクをヘッジするファンド
●市場リスクに中立の立場に立ち、裁定取引によってもうけるファンド
●情報伝達スピードのギャップに収益を見出すイベント・ドリブン
●大きな市場リスクをとるグローバルマクロ投資
これらのヘッジファンドのメリットは、市場のトレンドにかかわらず安定した収益あるいはスバ抜けた収益を得られることが可能な点です。しかし、デメリットは、運用手法が高度過ぎて一般の人には理解しがたいことです。そのために、運用経過の透明性が保てずにファンドマネージャーを信じるしかありません。ファンドマネージャーの目論見とその途中経過の整合性が見えないために、投資家はファンドマネージャーと「心中」状態になることが不安要素です。
ヘッジファンドとひと言でいっても、ハイリスクハイリターンのファンドから、安定収益をめざすファンドまでいろいろある。しかし、公募の投資信託との比較をすれば、その特徴は明確になると思いこんな表を載せてみた。 |
ノーベル経済学賞を受賞した大物経済学者を取り込んだ20世紀最大のヘッジファンド、ロングタームキャピタルが、4年と少しの興隆のあとの1998年にあっけなく破綻したことは、世界中を震撼させました。
オルターナテイブ投資と呼ばれるもので、ヘッジファンド以外の投資対象を次のページでご紹介します。