世界一の投資家、ウォーレン・バフェット
バフェットがバークシャー・ハサウエイ社の株主宛てに書いた「会長からの手紙」を編集した「バフェットからの手紙」は、彼自身の著書がない現在では、貴重なバフェットのナマの言葉だ。 |
彼が、ただの大金持ちと違うのは、自分の並はずれた個人資産を形成する一方で、たくさんの大金持ちを育てたことです。バークシャーの株主や彼の投資原理に従った何千人もの人々が、いまや百万ドル以上の資産家となりました。彼らのことは「バフェット村のスーパー投資家」と紹介されます。
そんなバフェットが残している貴重な言葉の中で、私が取り上げた一言は……
「たとえ証券取引所が10年間閉鎖されることがあっても喜んで持ち続けたい銘柄だけを買いなさい」
つまり、長い時間をかけて成長することを確信できる企業のみに投資をするのだと、バフェットは常に説いています。
本物の投資をジャマする回りの雑音
しかし、素人は時間をかけずに手っ取り早くもうけたい!なんて欲張りがちです。そんな気持ちのまま手を染める利殖は、ほとんどギャンブルです。●自分だけは特別にもうかる何かを持っていると信じたい!
●自分だけにできる何かがあることを実現したい!
●ドバア~ッともうかる快感を味わいたい!
そんな風にワケもなく自分を特別に思う気持ちが、人間には誰にもあって、それにつけこむ商人がいます。
特定のノウハウや情報を取ることで、簡単にもうかると吹聴するきつねさんやたぬきさんたちです。世の中には、ギャンブルのような投機をすすめる雰囲気に満ちていて、それを「投資」と詐称して大衆を勧誘するので、自分の経済行動によってお金を失う人が後をたちません。そして、「投資」は怪しげなことだと位置づけられてしまいます。
大投資家バフェットにもメンターがいました。彼の投資哲学は「学び」からしぼり出された珠玉の知恵なのです。
バフェットも過去に学び教訓を得た
投資家は企業を研究し、投機家は株価を研究するとバフェットはいった。 |
バフェットも過去を振り返りながら、独自の投資哲学を築いてきました。彼のメンター(師匠)は、ベンジャミン・グレアム(1894-1976)です。
グレアムの「賢明なる投資家」は、1949年の初版から57年が経つ今も投資家のバイブルとして版を重ね、いまだに世界に人々に投資の英知と戦略をさずけ続けています。大投資家シリーズの次回は、グレアムさんを取り上げましょう。
私たちは、正しい投資法を知ってほしいと願い仕事をしていますが、たくさんいる専門家(あるいはそれ風の人)たちから、だれを信じたらいいの?というのも個人投資家の切実な悩みです。
何かに迷ったとき、私たちは歴史を振り返り、過去の偉人たちの助言に素直に耳を傾けるべきです。人は予言することはできませんが、歴史から学べることはまだまだあります。
○近視眼的な投資では理性を失い、結果としてお金と時間を失う
○自分の思い込みや偏見から解放された客観的な評価を探す
○株が下落したときに売ってはいけない。むしろ買うべき
これらも、バフェットの口ぐせです。
実際に、バフェットはどんな企業に投資していたのでしょうか?注目の投資銘柄は次のページで!