資産運用/資産運用するときの金融商品

安全に運用したいお金の置き場所とは?

お金の管理でもっとも大事なことは、増やす場所、守る場所を明確に使い分けることです。今回は穏やかなお金の置き場所のお話です。リスクにさらしたくないお金をどこにおいておくか?金融の自由化により選択肢は増えています。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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お金の管理でもっとも大事なことは、増やす場所、守る場所を明確に使い分けることです。今回は穏やかなお金の置き場所のお話です。リスクにさらしたくないお金をどこにおいておくか?金融の自由化により選択肢は増えています。

投資に回せない短期資金の置き場所や、投資に回す前の準備段階の預け先としても、安全なお金の置き場所を決めておいてください。

定期預金(銀行)

安全に守るお金の置き場所としての定番は、銀行の定期預金です。ただ銀行の定期預金とはいっても、自由化の影響でその利率は横並びではありません。たとえば、2013年9月の時点では、もっとも高金利の0.270%(オリックス銀行)から三大メガバンク(三井、みずほ、三菱)の0.025%まで、実に10倍以上の差がついています。これらの定期預金の金利の比較については、最新の比較サイトでご確認ください。

定期預金で注意したいのは、ペイオフです。
1000万円を超える元本と利息部分については、金融機関が破綻したときには保護されません。したがい、1000万円超の預金に際しては、預ける金融機関の信用格付けに注意を払う必要があります。

MMF(銀行、証券会社)

定期預金と比較できる商品としては、MMFがあります。マネー・マネジメント・ファンドといって、毎日決算される投資信託です。銀行だけでなく証券会社でも購入することができます。

運用としては、元本の安全性に配慮して短期間の運用に限定しています。つまり、残存期間が短い好利回りの内外の公社債やコマーシャル・ペーパーなどに投資されます。
この運用方法は、ほとんど定期預金と同じなのですが、異なる点は……

○定期預金は確定利回りですが、MMFは実績利回りです。
○定期預金は途中解約できないが、MMFは30日経過後は解約自由です。
○定期預金は1000万円まで預金保護、MMFは分別管理による全額保護。

分別管理とは、投資信託の特徴です。投資家のお金の置き場所を、金融機関固有の資産とはしっかり分けることで、金融機関の倒産や破たんから守る仕組みです。

一方の定期預金は、銀行の資産として運用されていますから、その銀行が破綻したときには、客の資産もいっしょに毀損してしまう可能性があり、それを法律で保護するのがペイオフなのです。それから、定期預金は元本保証ですが、MMFには保証はありません。MMFで運用中のお金は元本確保の方針ですが、最悪の場合にはわずかに元本割れの可能性もあります。元本割れのリスクとペイオフのリスクを秤にかけると、一般論ですが1,000万円以下なら銀行の定期預金、それ以上ならMMFという判断ができます。

個人向け国債(証券会社、銀行など)

3年以上は使う予定のないお金でしたら、個人向け国債という手もあります。
現在の利率は変動10年型が0.51%、固定5年型が0.24%、固定3年型が0.11%(2013年9月現在)。どのタイプも1年経過すれば途中換金できます。金利等の条件は直近の情報をご確認ください。

増やすという意味ではうまみはありませんが、国に貸しているという意味では、もっとも安全な金融商品です。証券会社、銀行だけでなく、地方銀行、信用金庫、信用組合、農協などで購入することができます。購入最低金額は1万円です。
国債暴落の不安をささやく声もありますが、価格が変動するのはマーケットで売買されている既発債でのことですから、個人向け国債に関しては、まだ当分は影響ありません。

国内債券投信(証券会社)

MMFも同じ投資信託なのですが、リスクのある運用ができないので公社債投信と呼ばれています。収益性よりも安全性を優先した運用が義務づけられています。それに対して、国内債券投資信託は運用の自由度が高いので、より収益をあげることができます。換金には4営業日かかる、ペイオフはないが分別管理されているなどが一般的な特徴です。申込み手数料、換金手数料が徴収されるものがありますので、個々の銘柄の条件を確認してください。

MMFと大きく異なるのは、投資信託の銘柄によって運用成績(収益率)に大きなバラツキ(年率1~2%)があることです。長期間の運用成績を確認して、安全で儲かる投資信託を見つける必要があります。

国内債券型ファンド

国内債券型ファンド


外貨建ての定期預金とMMF(銀行、証券会社、FX業者)

為替のリスクはありますが、国内の金融商品に比べると、金利面で優位なのが外貨建て商品です。外貨建て商品のメリットは利率の差にあったのですが、近年の超的金利政策で米ドル、ユーロでは、円の定期と差はなくなってきました。利率の優位さで選ぶなら、豪ドルが第三の選択肢としてあります。直近の金利を参照してください外貨建て金融商品として、比較的な安全なものが、外貨建て定期預金と外貨MMFです。

外貨建てMMF

外貨建てMMF


日本円の預金にはペイオフによる預金保護がついていましたが、外貨預金にはそれがありません。1000万円を超えなくても金融機関の倒産により元本毀損のリスクがあります。

また、これはMMFにも共通ですが、外貨建てには為替リスクが付きまといます。
低金利で収益はわずかですので、為替レートが変動すると利息はカンタンに帳消しになってしまうことに覚悟しておかねばなりません。

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