商品の時代
ロジャーズは原油、鉛、砂糖などの上昇相場を予測している。その一番の根拠は、中国等で発生する莫大な需要に供給は追いつかないという事実。 |
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近いところでいえば、1970年代に商品相場は急騰しました(たとえば金価格はいまだにその時の最高値を更新できていない)が、株は不振でした。1980年代と1990年代はその正反対でした。そして、「今、この周期は商品優位に向かっている」(『大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代』より原文のまま引用)。
そして、彼はこう予測します。
「もう長い間、株がよく上がり、商品がひどく下がる時期が続いている。商品市況はこれから何年も好調を続け、株式はバブルを脱した後ほとんど横ばいになるだろう」。
具体的には、1999年に始まった原材料の上昇相場は、2014年から2022年の間のどこかまでは続くと述べています。
さらに、合理的な商品投資を普及するために、彼はインデックスを開発しました。「ロジャーズ国際商品指数(RICI)」です。現在では、この指数に連動した成果を目指す商品ファンドも日本で販売されいます。
中国の時代
ジム・ロジャーズは中国にゾッコンです。2度目の世界旅行で中国を訪れた彼は、こう書いています。
「中国人は朝から晩までよく働く、そればかりか収入の30%以上を貯蓄や投資に回す。それに引きかえ私たちアメリカ人はたったの1%だ。中国経済の成長が米国経済よりも速いのは、彼らがよく働き、よく貯蓄するからなのだ」
「上海はオズの国のように現れた。この街は私たちが生きている間に、21世紀資本主義のエメラルドシテイになるかもしれない」
「革命前の中国にはアジア最大の株式市場があった。私の考えが正しければ、いずれまたそうなる」(『冒険投資家ジムロジャーズ世界大発見』から引用)。
もちろん、彼は中国株も人民元もたっぷりと保有し、彼の子どもは「生まれたときから中国語を学んでいる」そうです。なぜなら「娘が生きている間に中国語は最も重要な言語になるだろう」。いずれは、家族と共に、中国語圏(たぶんシンガポール)に移住する計画もあります。ロジャーズの冒険は、まだまだ続く~!
最後に、若い読者へのロジャーズのメッセージは!
「かつて、子どもが欲しいと思ったことはなかったし、子どもがいるということは哀れなことだと常々思っていた。しかし、完全に間違っていたと思い知らされた。父親であることがどれほど楽しいか、とても語り尽くせないほどだ。おかげで毎日が楽しいし、私の両親や親御さんたち皆のこと、また世界がずっとよくわかるし、自分のこともまえよりもっとよく分かるようになった。まだ子どものいない人は、ぜひさっさと家に帰って、しかるべく励まれよ」(『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見』のあとがきより引用)
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