資産運用/資産運用をするときの鉄則

大投資家の名言 ジム・ロジャーズ

大投資家の中でも、ジム・ロジャーズはユニークな存在。彼が語ることは、難解な投資手法ではなくて、人生の単純明快な教訓。世界を旅して書いているその手記にはお金のことより、男のロマンが詰まっている。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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冒険投資家として有名なジム・ロジャーズは、他の大投資家に比べると、かなり人間臭い大金持ちです。トレードマークの蝶ネクタイとあいきょうのある笑顔のせいかもしれません。そんな彼の名言は、

「大もうけするためには絶望が支配している間に足を踏み入れなければダメだ」

ソロスとヘッジ・ファンドで大成功したロジャーズ

/aajg-417-22/ >新賢明なる投資家 上
バイクで世界六大陸を旅したロジャーズは、投資のチャンスはどこにあるのか?中国、ロシアからアフリカ、オーストラリア、中南米まで、世界各国を走りながら、鋭い視点と洞察力で分析を試みた
「アラバマ生まれの貧乏少年」だったジム・ロジャーズは、大学卒業後にある証券会社で勤めているときに、あのジョージ・ソロスと出会いました。二人が1970年代に設立したのが、クォンタム・ファンドです。1980年には4億ドルを運用するまでに成長させ、年平均35%という驚異的な利回りを記録していました。ソロスがファンドマネージャー、ロジャーズがアナリストという役割分担だったそうです。

【関連記事】大投資家の名言 ジョージ・ソロス

しかし、ロジャーズは、1980年にソロスのもとを離れ、37歳で実業から引退しました。今は、世界を旅して回りながら、コロンビア大学の教壇に立っています。

1994年にBMWのバイクで1回目の世界旅行を敢行し、2003年には改造ベンツで世界を回り、2回目の世界紀行「冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見」を出しました。

「1968年に600ドルを手に投資の世界に足を踏み入れ、1980年に37歳で現役を退いたときには、私は一生冒険して過ごすという夢を果たせるだけのお金を手にしていた。オフショア・ヘッジファンドの共同責任者として、世界の資本や原材料、商品、情報の流れを分析し、他人が投資しないところへ投資をし、まだ注目されていない市場を発掘して利益をあげた。私が成功したのは主にこのやり方のおかげだった。私がウォール街で働き、また最終的には長期投資をすることで目指していたものは、業界の他の人々とちょっと違っていた。私は人生を楽しむ自由を手に入れたかった。世界中を見て回りたかったのである。」(『冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界大発見』の冒頭より原文のまま引用)

そうして、2回目の世界旅行中の2000年1月1日に、旅を共にしたペイジと57歳で結婚。60歳を過ぎて生まれてきた娘に向けて本を書きました。題して、「人生と投資に成功するために、娘に贈る12の言葉」。ねぇ~、幸せそうでしょう。

ロジャーズは稀有なトップダウン・アプローチ・アナリスト


ロジャーズの得意なアプローチは、政治的地政学的に投資国を分析し、割安と見られる地域の経済に、果敢に資金を投入することでした。まさに、絶望が支配している場所に、信念をもって投資しました。

しかし、彼の判断する基準は、実に客観的であり、明快です。 
・政治、経済状況が改善の方向に向かっていること
・一般に認識されているよりも実勢経済が良い
・通貨に交換性がある
・売りたい時に売れる市場性がある


どんなリスクも引き受けたロジャーズが、一番神経を使っていたのは、換金性あるいは流動性が確保されているか?ということでした。

近年、ジム・ロジャーズが注目しているのは、商品(コモディティ)と中国です。新しい時代については次のページで!
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