資産運用/資産運用をするときの鉄則

投資すべきは不動産?それとも金融商品?

不動産を買いたい!株を買いたい!という衝動でお金を投入するのは消費であって、投資ではありません。資産のバランスを考えてください。値動きの異なる資産を複数持つことが大事です。幸せになるための資産運用を!

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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投資をするときに、不動産を買おう!株を買おう!と、人は最初からターゲットを決め付けて、真っ先に商品探しを始めます。しかし、それはあまり良い方法ではありません。

なぜなら、まず資産の全体の配分比率(アセット・アロケーション)を決めることが、資産運用の最初の大仕事だからです。

黄金の3分割

写真のタイトル
資産の3分割は人類の大きな知恵!
たとえば、不動産に3分の1、株に3分の1、債券や預貯金に3分の1に分けることを、「黄金の3分割」といわれています。

この鉄則は、明治時代の日本人が、資産を「現金と不動産と株」に分けておけ!といったことが、その起源といわれています。が、実は3,000年前の古文書の中で、ユダヤ人は「貨幣と土地と商品」に分けて持てと語っていたのです。

急激な変化が来たときに、資産を損なわずに経済恐慌を乗り切るには、資産を防衛するための分散が有効であることを、歴史から学ぶことができます。

この3分割は、実は資産の3つの特性に注目している深い洞察のたまものなのです。3つの特性とは、安全性、収益性、流動性です。

安全性・・・たとえば土地。無くならないし、奪われにくい。
収益性・・・たとえば株。20世紀にもっとも増えた資産は間違いなく株。
流動性・・・たとえば預貯金。いつでも使える換金力も大事。


資産は3つの特性をバランスよく持った方が快適なのです。それらは、別々の値動きをするので、投資のリスクを抑えることにも貢献します。自分には、不動産資産がどのくらい必要なのか?を考えましょう。

不動産の魅力とデメリット

土地神話は崩壊しましたが、漠然とした「あこがれ感」を私たちは持っています。不動産には、次のような魅力があるからです。

○戦後50年、高騰し続けた体験から植えつけられたイメージ
○実物を所有することで満たされる満足感
○目で見え、手で触れる安心感とシンプルさ
○減価償却など税対策に有利

しかし、デメリットもあります。

●今いくらで売れるのか?という時価が不明
●換金するのに、時間と手間がかかる
●複利で運用できない
●関連する法律が多く(約250)、潜在リスクが大きい
●高額になるので、物件をいくつも買えない
●海外分散しにくい

さらに、人口が減り始めたこの国での、土地価格の推移は非常にビミョーです。株価は企業の利益に連動しますが、地価は人口増減に連動しているからです。

金融商品の魅力とデメリット

一方の金融商品には次のような魅力があります。

○換金が容易
○少額からでも投資可能
○時価が公表されている
○関連する法律は少なく、リスクも明確
○分離課税で、税率が有利

そして、不動産と比較したデメリットは以下の通りです。

●仕組みが複雑で、見ることができない
●自分で増やしている実感やスリル感が乏しい
●オンリーワンの投資法ではない

いずれにしても一長一短があります。幸せに生きていくために必要な資産配分でバランスをとってください。きっちり3分の1ずつに!という数値的根拠はありませんが、いずれかに偏ることは危険です。

不動産が欲しい!株を買いたい!とむやみに決め付けずに、自分の期待リターンを実現するための適切なアセットアロケーションに必要な資産配分を、よ~く考えてください。冷静に!客観的に!

そう考えてみると、意外と選択肢は多くないものです。

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