資産運用/資産運用をするときの鉄則

ドルコスト平均法は焼け石に水って本当?

人は正しい投資行動を取っているのに、結果が見通せないためにイラつくことがあります。見逃しがちな小さな変化が将来の大きな果実に成長することを知っていれば、長期投資を安心して続けられます。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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2008年9月のリーマンショック以降の株価暴落によって損失を出した人たちに対して、私は次のような助言をしてきました。

「これから5年以上使う必要のないお金を投資しましょう。投入すべきタイミングは株価が大底を打つまで!です」

私は暴落してから大底をつけるまでは、無理してでも資金投入することをすすめてきました。株価は2009年3月に底値をつけた雰囲気です。もし、私の助言どおりにできた人がいれば

「よく頑張りましたね!あとは果報は寝て待てです」

と申し上げたいのです。

これじゃあ焼け石に水だわぁ

写真のタイトル
ドルコストが万能だとは思わないが、こんな時こそその真価を発揮される相場なのに・・・
しかし、株価が底を打つまでは、ドルコスト平均法で投資し続けた人の中から、こんなボヤキが聞こえるのも事実です。

「下げ止まるまで投資してきたけど、目に見えて良くなったりしない。これじゃ焼け石に水だわ」

はい、お気持ちはよ~く分かります。しかし、小さな継続が長期間の中で驚くほどの成果をもたらすというのを知ってください。それこそが、投資のだいご味であり、長期投資家が必ず報われてきた理由なのです。

今は気がつかない小さな変化でも、時間が経てば大きな収益に育ちます。

3人の投資家たち

継続することによる成果を、次のような事例で検証してみました。

最初の元金は1,000万円。2008年9月に一括投入しました。その後、毎月10万円を追加投入できる資金を持っています。投資期間は2008年9月から28ヶ月後の2010年12月の時点での将来価値の比較をしてみました。

試算条件は次の通り:株価はS&P500、2008年9月には1200ポイントでしたが、リーマンショックから急落し、2009年3月までに682まで下落。2009年4月から反発し5月に900ポイントを回復するも、2009年6月から2010年7月までは横ばい(仮設)。2010年8月から本格反騰が始まり、2010年12月には1200ポイントに達する。

投資家Aさんは、当初1000万円は投入したものの、その後の毎月10万円は預金のまま置いていました。
投資家Bさんは、ドルコスト平均法により、一括買い付け後も28ヶ月間毎月10万円ずつ投入し続けました。
投資家Cさんは、毎月10万円の余剰金の合計を反騰が始まった2010年8月から4ヶ月間でタイミング投入しました。

シミュレーションの結果は次のページで
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