儲けさせずに儲かる方法は?
こうしたオンライントレード会社の「儲かる仕組み」をふまえて、カモになる客と賢いお客の違いを考えてみましょう。簡単にいえばこんな感じです。○カモになるお客
オンライントレード会社に多くの手数料を払って実際の自分の収益はあまりない
○賢いお客
オンライントレード会社にはできるだけ手数料を払わず自分の収益を最大化する
つまり、賢いお客のアプローチとしては
・できるだけ売買手数料の安いオンライントレード会社を選ぶ
・できるだけムダな売買手数料を支払う回数を減らす
の2つが考えられます。
○できるだけ売買手数料の安いオンライントレード会社を選ぶ
同じ売買をするのであれば売買手数料の低いところを選ぶのが賢いお客の第一歩です。同じ売買をしたとき、手数料の高いところで売買して利益が増えることは絶対にありませんので、これは当然の選択です。オンライントレード会社を比較検討するサイトや雑誌はたくさんありますので、リーズナブルなところを探しておきましょう。最近では手数料の値下げ合戦も行われていますので、ときどき見直すことも忘れずに。定額の手数料体系を採用しているところでは定額と定率との選択によって売買手数料がお得になる場合もありますので、自分の売買ペースや金額に応じた選択をしておきましょう。
もちろん、「安かろう悪かろう」では最悪ですから、情報サービスの質や売買システムの使いやすさ、システムインフラの堅牢さなども見ながら総合的に決めればいいでしょう。しかし「明らかに高い手数料」の会社は除外することです。
○できるだけ売買手数料を支払う回数を減らす
次に考えたいのは「そもそも手数料を払う回数を減らす」という考え方です。短期売買を推奨するような書籍がちまたには溢れていますが、短期売買で一番儲かるのは実はオンライントレード会社(と税金を取れる国)なのです。
たとえば株価1000円の銘柄(単位株は1000)を買って1100円で売り、1050円で買い直し1150円で売ったとしたら100円×1000株×2回=20万円儲かるわけではありません。税金が10%ひかれますので正味の利益は90円×1000株×2回=18万円ですし、売買手数料が4回かかりますから、さらに利益は下がります。0.2%の手数料だとしたら、買い→売り→買い→売りと合計9030円の手数料がかかっていますので、差し引きの利益は17万970円しかないということになるわけです。
このとき最初の1000円で買った段階から放っておいて、1200円で初めて売ったとしたらどうでしょう。同じ200円の利益が出て税金も同じ20円分ですが、売買コストが4515円になる分、差し引きの利益は17万5485円になります。
儲かった上昇額は同じでも、あなたの利益には5千円近く差がつきました。その違いが「カモにされた」分というわけです。儲けの幅が同じなのに手取りが減るのであれば、「賢い客」になったほうがいい、というわけです。
私自身の話を少ししますと、投資の売買ペースは非常にゆったりです。投資資金が貯まったら、銘柄を購入(このとき手数料を払う)。その後は基本的に放ったらかしです。半分以上の銘柄は1年以上放っておきます。長く保有していると株主優待や配当も受けられますので、手数料を払って何度も売買するよりも、さらに得することがあります。株主優待1回分が売買手数料を帳消しにしてくれることもあるくらいです。
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