中毒その2●貯金の金利をやたらと気にする
預貯金の金利をやたらと気にしている人がいます。0.X%上がったかどうかをいつも気にしています。こうした人たちはマネー中毒に染まっているかもしれません。おそろしいほどの低金利時代がようやく終わり、定期預金の金利は昨年大きくあがりました。かつては100万円を1年間預けても200円しか利息がつきませんでしたが、今では1年間預ければ2000円以上利息がつきます。10倍以上の金利の変化です。
これを逃さないことは確かに大切です。年利0.0X%時代に預けた長期の預貯金を解約してでも、預け直すほうがトクになることが多いでしょう。自分の通帳を一度チェックしてみる価値は大いにあります。しかしながら、そればかり考えていてもいいのでしょうか。個人向け国債や株式などリスクのある商品に目を向けてみてはどうでしょうか。
個人向け国債であれば、私たちが直接買うのは難しい10年もの国債の実勢金利に連動して利回りが決まります。これらの金利は預貯金の金利よりはるかに高いのです。今年の1月10日に支払われたばかりの利回りはなんと1.90%でした。銀行の定期預金の利回りの比ではありません銀行で10年もの定期預金を固定金利で預けてもこの半分以下の年利です。しかも、個人向け国債は銀行で気軽に購入できる商品です。預貯金の金利動向ばかり見ていていいのでしょうか?
株価はどれだけ上昇しているでしょうか。値動きも激しいとはいえ、2006年の1年間で日経平均株価は6.9%も上昇しました。2005年はなんと40.2%の上昇です。預貯金の金利と比較するのもバカらしくなるくらいの大きなリターンです。元本割れリスクの代わりに期待できる利回りは大きいというわけです(日本株式は平均的にどれくらいリターンが期待できるか、参考までに見てみると、国の年金運用では年率4.8%、企業年金連合会では6.0%としています)。
預貯金の金利は元本割れリスクがないため、これを資産運用の中核にすることは間違いではありません。しかし、リスクを取らない代償としてリターンはわずかなものになってしまいます(リスクもないのにリターンは高い商品は、詐欺の可能性がありますので、疑ってかかりましょう)。
確かに今までは超低金利でしたから、0.0X%の値動きに一喜一憂する気分は分かります。しかし、そこに執着しているようではやはり「中毒」です。ぜひいろいろな金融商品に目を向けてみてはどうでしょうか。より大きなリターンを得られる可能性が待っていますよ。
まずは個人向け国債を数十万円くらい買ってみてはどうでしょうか? 変動利回りで10年ものと固定金利で5年ものがあります。次回の発売は3月の上旬が予定されています。なじみの銀行で相談してみるとよいでしょう。利息も高いし、デトックス効果も抜群ですよ。
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